研究課題
基盤研究(C)
本研究はエンドソームにおける膜蛋白質のユビキチン化とそれに続く選別輸送の分子機構を明らかにすること、これまで同定したSKD1結合蛋白質について機能解析を行い、エンドソームにおけるMVBの形成および膜蛋白質選別輸送の分子機構を明らかにすることを目的として行った。1)SKD1(E2350)過剰発現により蓄積するユビキチン化膜蛋白質の網羅的プロテオミクス解析:アデノウイルスを用いた変異型SKD1(E235Q)発現によりエンドソームに蓄積するユビキチン化蛋白質を、細胞分画およびユビキチン抗体カラムを用いたアフィニティクロマトグラフにより精製した。得られたユビキチン化蛋白質をトリプシン消化後に質量分析法(ESI-LC-MS/MS)による網羅的プロテオーム解析を行い、ユビキチン化によりその局在が制御されている膜蛋白質を少なくとも20種類同定した。さらにこの中から8種類の膜蛋白質についてユビキチン化フォームの検出(ウエスタンブロッティングでラダーとして検出)あるいは変異型SKD1(E235Q)発現依存的な局在の変化を認めた。2)SKD1結合蛋白質SBP1・SBP3(mVPS2p/CHMP2A)の機能解析:可溶性細胞質蛋白質であるSBP1はそのC末部分のCoiled-coilドメインを介してSKD1と相互作用すること、SKD1(E235Q)の過剰発現によりSKD1とともに巨大蛋白質複合体を形成しエンドソーム膜上へと局在することなどを報告した。またSBP1のヒトホモログlip5(lyst-interacting protein 5)はリソソームの形態異常を示すChediak-Higashi Syndromeの原因遺伝子であるlyst(lysosomal trafficking regulator)に結合することから、SKD1/SBP1が何らかの形でlystの機能発現制御を行っている可能性が高い。SKD1(E235Q)を過剰発現させた細胞で可溶性膜蛋白質であるlystが膜画分へ局在変化することを明らかにした。さらにSBP3がSKD1とESCRT-IIIの相互作用に関与していることを明らかにした。
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ページ: 865-906
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Journal of Cell Science 117
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