研究課題/領域番号 |
16590058
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研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
櫻田 忍 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (30075816)
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研究分担者 |
溝口 広一 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (30360069)
寺崎 哲也 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60155463)
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キーワード | オピオイド受容体 / 発現細胞 / スプライスバリアント / オピオイドペプチド |
研究概要 |
現在までに同定されているμ受容体サブクラス15種類(MOR-1、MOR-1A、MOR-1B、MOR-lC、MOR-1D、MOR-1E、MOR-1F、MOR-1G、MOR-1H、MOR-1I、MOR-1J、MOR-1K、MOR-1L、MOR-1M、MOR-1N)の内、MOR-1、MOR-1C、MOR-1Eの3種類のμ受容体サブクラスをクローニングしCHO-1細胞に導入した、3種類の安定的受容体発現細胞株を作製した。μ受容体の基準作動薬であるDAMGOは、この3種類のμ受容体サブクラスのいずれに対しても高い親和性を示し、またこれら3種類のμ受容体サブクラスを介した強力なG蛋白活性化作用を発現した。一方最近研究代表者らは、TAPAおよびTAPSの他に、4種類もの内因性オピオイドペプチド(Dynorphin A、Dynorphin B、α-neoendorphin、[Leu^5]enkephalin)を遊離する選択的μオピオイド受容体作動薬Amidino-TAPAを開発したが、このAmidino-TAPAはDAMGOと同様に、MOR-1、MOR-1C、MOR-1Eといった3種類のμ受容体サブクラスを介した強力なG蛋白活性化作用を発現した。以上の研究結果から、今回クローニングした3種類のμ受容体サブクラスは、内因性オピオイドペプチドの遊離を誘導するμ受容体サブクラスでは無い事が明らかとなった。 μ受容体は、古典的にμ_1およびμ_2受容体に分類され、両受容体を介した生理反応の違いもこれまでた報告されている。しかし、従来より使用されている全てのμ受容体作動薬ならびに拮抗薬は、その選択性の程度に違いこそあるがμ_1およびμ_2受容体の双方に作用する事が明らかとなっており、両受容体の生理機能を解明する上での障害となっている。本年研究代表者らは、μ_2受容体に極めて選択的な拮抗薬_D-Pro^2-Tyr-W-MIF-1の開発に成功した。本研究課題において_D-Pro^2-Tyr-W-MIF-1を使用する事により、研究代表者らが従来より研究を行ってきた古典的μ_1およびμ_2受容体と、分子生物学的に同定されたμ受容体サブクラスとの相関性が解明され、μ受容体サブクラスの生理機能を解明する為の大きな道標になるものと考えられる。
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