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2004 年度 実績報告書

リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ関連遺伝子の生化学的・病態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16590062
研究機関帝京大学

研究代表者

山下 純  帝京大学, 薬学部, 助教授 (80230415)

キーワードLPA / アシルCoA / アシルトランスフェラーゼ / LPAAT / リン脂質 / トリアシルグリセロール
研究概要

リゾホスファチジン酸(LPA)アシルトランスフェラーゼ(LPAAT)は、リン脂質やトリアシルグリセロールのde novo合成に関与する酵素である。この酵素の性状はほとんど明らかでないが、最近になりようやくcDNAがクローニングされ、分子生物学的な研究手法が可能になった。近年、肥満、動脈硬化、炎症など、種々の病態の原因のひとつに、脂質代謝の異常や昂進が関与することが考えられている。特に、脂肪細胞に、脂肪、すなわちトリアシルグリセロールが蓄積する肥満は、他の生活習慣病の原因となることが示唆され注目されている。LPAATβは、脂肪細胞にトリアシルグリセロールを蓄積できない病気、リポジストロフィーの原因遺伝子であると報告されている。病気との関連を明らかにするため、本研究はLPAATアイソフォームの分子レベルでの性状を解析することを目的とする。
本年度、目的を達成するため、1)LPAATアイソフォームの発現系を構築した。LPAATαとLPAATβに関して、組換えバキュロウイルスを作成し、Sf9細胞での発現を行なった。この発現系を用いることで、内因性のLPAAT活性より500倍の活性を持つ酵素標品を得ることができた。
2)LPAATαとLPAATβの基質特異性を検討すると、LPAATαとLPAATβ、ともにC12以上のアシル鎖を持つLPAを基質とした。また、両酵素とも1-アシルLPAを基質とし、2-アシルLPAを基質としなかった。また、LPAATαはアルキルLPAを比較的良い基質とし、アシル型の1/2程度の活性を示したが、LPAATβは1/8程度の活性しかなく、LPAATβの方が、LPAのsn-1位の結合をより厳密に認識することが示された。アシルCoAに関しては、LPAATαがC16:0、C18:2n-6を良い基質とするのに対して、LPAATβはC18:1n-9、C18:2n-6を良い基質とした。基質特異性が異なることから、LPAATαとLPAATβは役割を分担していることが考えられる。
3)LPAATαをプロトタイプとして、1アミノ酸変異酵素を作成し、Sf9細胞に発現した。グリセロール3-リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAT)、ジヒドロキシアセトンリン酸アシルトランスフェラーゼ(DHAPAT)に保存されたアミノ酸を置換すると活性が消失した。これらの酵素がファミリーを形成していることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Roles of C-terminal processing, and involvement in transacylation reactions of human group IVC phospholipase A2 (cPLA2γ).2005

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Yamashita et al.
    • 雑誌名

      J.Biochem. (In press)

  • [図書] 環境・健康科学辞典2005

    • 著者名/発表者名
      山下純, など
    • 総ページ数
      816
    • 出版者
      丸善(日本薬学会編)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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