骨髄由来未熟樹状細胞、マクロファージ、アポトーシス細胞の3者混合培養のサイトカイン産生におよぼす効果:1L-2依存性CTLL-2細胞をIL-2除去培地で24時間培養して、後期アポトーシス細胞を得た。マウス胸腺細胞に12GyのX線を照射しさらに9時間培養して同様に後期アポトーシス細胞を得た。一方、C57BL/6マウス(雄、6週)から骨髄細胞を調製し、抗B220、抗Ly2、抗L3T4、抗Gr-1各単クローン抗体とウサギ補体で処理したあと1000U/ml GM-CSFを含む培地で7日培養して未熟樹状細胞を得た。こうして得た未熟樹状細胞、チオグリコレート培地を腹腔内投与して得た腹腔マクロファージ、アポトーシス細胞を1:1:2の割合で混合して種々の時間培養し、IL-6とMIP-2の上清中のレベルを特異的ELISAで測定した。その結果、いずれのサイトカイン産生も骨髄由来未熟樹状細胞あるいはマクロファージとアポトーシス細胞との2者混合培養時に比べ著しく抑制された。 3者混合培養のそれぞれの細胞のアポトーシス細胞取込みにおよぼす効果:あらかじめPKH26で標識しておいたアポトーシス細胞を未熟樹状細胞、マクロファージと共培養したあと、付着性細胞をマクロファージとして回収しFITC標識抗F4/80で染色した。一方浮遊細胞を未熟樹状細胞を含む細胞集団として回収しFITC標識抗CD11cで染色した。これらを共焦点顕微鏡で観察し、取込みの度合いの変化を調べたところ、マクロファージの貪食は促進されたのに対し、未熟樹状細胞の貪食は抑制された。したがって未熟樹状細胞のIL-6産生の抑制は貪食の抑制を反映していると考えられた。一方マクロファージのMIP-2産生の抑制は貪食以外の機構によるものと考えられた。後者はdouble chamberによって抑制が解除されたので、細胞接着が必要であることがわかった。
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