前年度の結果から、マクロファージのアポトーシス細胞に対する応答(MIP-2産生)は未熟樹状細胞が共存すると、接着依存的に阻害され、その一部は抗CD11b抗体によって解除されること、一方未熟樹状細胞のアポトーシス細胞に対する応答(IL-6産生)はマクロファージが共存すると、マクロファージにアポトーシス細胞が取り込まれてしまうことによって結果的に阻害されることが明らかとなった。 ところで好中球はマクロファージと同様CD11bを発現しているがマクロファージと異なりアポトーシス細胞を取り込まない。そこで本年は昨年の結果と比較するため、好中球と未熟樹状細胞の共存下でのアポトーシス細胞の取り込みに伴う応答を調べ以下の結果を得た。 (1)未熟樹状細胞とアポトーシスCTLL-2細胞を共培養すると、単独培養に比べ顕著にMIP-2とKCが産生された。このとき好中球を共存させると、MIP-2産生は影響を受けなかったがKC産生は顕著に阻害された。 (2)(2)と同様の実験でクラスII発現を見たとき、未熟樹状細胞とアポトーシスCTLL-2細胞との共培養によって、培地だけでの培養に比べ、クラスIIが有意に増大した。この増大も好中球が共存すると抑制される傾向を示した。
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