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2005 年度 実績報告書

環境由来化学物質の性ステロイド内分泌に及ぼす影響解明に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16590095
研究機関星薬科大学

研究代表者

中陳 静男  星薬科大学, 薬学部, 教授 (90101576)

キーワード環境化学物質 / 性ホルモン / ステロイド / 内分泌
研究概要

1.エストロゲン生合成酵素(アロマターゼ)はエストロゲン生合成の律速酵素であり、エストロゲン産生に必須の酵素でもある。我々はヒト副腎皮質由来腫瘍細胞株であるH25R細胞にアロマターゼが発現していることを明らかにした。その発現はフォルスコリン(FSK)刺激により上昇し、卵巣や脂肪細胞における発現に選択されていると同様なpromoter IIとpromoter I.3が選択されること、さらに本細胞のアロマターゼ活性は上皮成長因子(EGF)およびプロスタグランジン(PG)E_2刺激により上昇し、酵素の転写が活性化されることなどを明らかにした。そこでこのアロマターゼ発現細胞H295Rを用い、アロマターゼ活性あるいは転写に及ぼす影響を測定するin vitroアッセイ系を構築し、エストロゲン産生に及ぼす化学物質の影響を検討した。
2.本アッセイ系を利用して、プラスチック(PVC)の可塑剤として多用されているフタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)およびフタル酸ジブチル(DBP)、およびそれらフタル酸エステル類のヒトにおける代謝物であるフタル酸モノエチルヘキシル(MEHP)およびフタル酸モノブチル(MBP)のアロマターゼ活性に及ぼす影響を検討した。その結果、これらのフタル酸エステル類の中で、MEHPは、細胞毒性を示さない濃度においてアロマターゼ活性および遺伝子発現を有意に抑制した。さらに、0.001-0.3mM濃度のMEHPは、FSK、EGFまたはPGE_2それぞれの刺激によって誘導されたCYP19遺伝子のpromoter II活性を、濃度依存的に抑制した。従って、MEHPはヒトにおいてアロマターゼ遺伝子の転写活性を抑制することにより、内在性エストロゲン産生に対して抑制的に作用する可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Effect of epidermal growth factor and prostagrandin on the expression of aromatase (CYP19) in human adrenocortical carcinoma cell line NCI-H295R cells2006

    • 著者名/発表者名
      M Watanabe, M.Noda, S.Nakajin
    • 雑誌名

      J.Endocrinol. 188(1)

      ページ: 59-68

  • [雑誌論文] Triphenyltin and Tributyltin inhibit pig testicular 17β-hydroxysteroid dehydrogenase activity and suppress testicular testosterone biosynthesis2005

    • 著者名/発表者名
      S.Ohno, Y.Nakajima, S.Nakajin
    • 雑誌名

      Steroids 70

      ページ: 645-651

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Tributyltin chloride suppresses Hie P450c17 transcription involved in testosterone production induced by gonadotropin stimulation in cultured pig Leydig cells2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Nakajima, G.Sato, S.Ohno, S.Nakajin
    • 雑誌名

      Environmental Toxicol.Pharmacol. 20

      ページ: 11-17

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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