研究課題
基盤研究(C)
正常ヒト胎児肝細胞(HFL細胞)にCYP3A4、CYP3A5およびCYP3A7のmRNAの発現が認められた。HFL細胞においてCYP3Aはデキサメタゾン(DEX)により顕著に誘導されるが、成人の肝細胞とは異なりリファンピシン(RIF)による誘導は全く認められなかった。平面培養においてHFL細胞におけるCYP3A4 mRNAの発現は、各種副腎ステロイド(10nM)によって誘導され、その強度は糖質コルチコイド作用(抗炎症力価)に対し高い相関性が認められた。CYP3A7においてもトリアムシノロン、ベタメタゾン及びデキサメタゾン(DEX)により強く誘導された。DEXによるCYP3Asの誘導は、100μMよりもむしろ100nMにおいていずれも強く誘導された。また、DEX(100nM)によるCYP3Asの誘導は、グルココルチコイド受容体(GR)アンタゴニストであるRU-486(5μM)で顕著に抑制された。成人の肝細胞でCYP3Asの誘導に関与することが報告されているヒトプレグナンX受容体及びヒトコンスティテューティブアンドロスタン受容体のmRNAの発現は、HFL細胞において検出することは出来なかった。一方、GRの発現はいずれの処理においても確認され、その発現量に変動は認められなかった。RNA干渉法によりGRを約40%ノックダウンした場合、DEXによるCYP3A4及びCYP3A7の誘導は、それぞれ30%、50%の発現量の減少が見られた。以上の結果より、移植先の環境が細胞分化に影響することが推察された。さらに、HFL細胞において副腎ステロイドによるCYP3Aの誘導は主にGRを介する経路によることが明らかとなった。
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