研究課題
基盤研究(C)
赤血球は、高速度で血管内を流動して酸素を全身に運搬するために、細胞膜の裏側に「膜骨格」という、網目構造を形成して動的に変化させることで、外力に対抗している。その膜骨格関連蛋白の一つであるProtein4.1(以下4.1)は、網目を形成するスペクトリン-アクチン、さらに細胞膜内貫通蛋白質とも結合している。この4.1がファミリー蛋白をもち、私たちは4.1ファミリー(とくに4.1Bと4.1G)特異抗体を用いて、正常マウス、ラットおよびヒトの神経系、腎臓、腸管、膵臓、精巣、免疫系組織における超微形態学的局在を示し、さらにこれらの臓器において、一貫して隣接する細胞との相互的な位置関係が関係していることを明らかとした。例えば、4.1ファミリー蛋白のひとつである4.1Bは、神経細胞軸索(電気的伝達を送る神経突起)が神経膠細胞のミエリン鞘(髄鞘:神経を取り囲む多重の膜)と接する部位のみならず、ミエリン鞘をもたない無髄神経線維においても神経膠細胞に接する部位に、この蛋白質が局在することを見出した。さらに最近、4.1ファミリー蛋白のひとつである4.1Gは、神経突起と向かい合う部位の膠細胞膜の直下にあることも見出した。機能解析についても、GST蛋白を作製し、複合体蛋白検索、同定を現在継続している。一方、生体内凍結技法を用いた動的状態の組織、臓器観察法について、凍結置換法を組み合わせて、時間分解能を上げた解析法を可能とした。以上のように、2年間の当研究費により、「膜骨格」がこの4.1ファミリー蛋白に示すように、細胞膜直下の普遍的構造であることを証明し、これらが組織、臓器形成において、どこにどのように細胞膜に組込まれていくかの蛋白複合体形成解析への足がかりを築くことができた。
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