研究課題
1 細胞接着活性を指標とした発現クローニングシナプス形成期である生後5日〜10日のマウス海馬からmRNAを調製し、更に生後10日由来マウス海馬mRNAから生後5日由来マウス海馬mRNAを差し引いたサブロラクションライブラリーを作成。これを線維芽細胞に導入し、細胞接着アッセイを行い、形成された細胞凝集塊を回収し、その細胞凝集塊に導入されていた海馬遺伝子を同定した。この結果、電位依存性カリウムイオンチャネル様の分子が、細胞接着活性を持っていることを明らかにした(Kimura K 投稿中)。アッセイ系を用いて、6回膜貫通型膜蛋白質で、水チャネル分子であるアクアポリン4が、細胞接着活性を持っていることを明らかにした(Hiroaki Y et al, J Mol Biol 2006)。2 海馬神経回路形成における細胞接着機構ネクチンの役割ネクチン遺伝子欠失マウスにおける海馬苔状線維-CA3錐体細胞樹状突起間シナプスを形態学的に解析した。結果、海馬苔状線維のうち役10%が正常の走行領域である透明層から逸脱し、正常投射領域外に異所性シナプスを形成していた。即ち、ネクチン細胞接着機構は、シナプスの大きさ・位置の決定に関与するだけでなく、軸索の投射領域の制御にも関与しているが示唆された。(Honda T et al, Mol Cell Neurosci 2006)。3 個々の細胞接着分子のシナプスにおける分子構築及び分子集積の順位付けの解析足場蛋白質間での選択性が存在し、受容体のシナプス膜への挿入に対して、PSD-93やDelphilineの寄与は大きくないのに対し、Stargazinの欠失は重大な障害を起もたらす。また、足場タンパク質のS-SCAMがNMDA受容体を細胞接着分子ニューロリギンのみならず、カドヘリンにも連結する機能を担っており、2種類の接着機構が共通の足場蛋白質を介して連関している可能性も指摘された。
すべて 2006 2005
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