研究課題/領域番号 |
16590161
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
菅 世智子 弘前大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (80003408)
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研究分担者 |
泉井 亮 弘前大学, 医学部, 教授 (80108505)
木村 良一 弘前大学, 医学部, 助手 (20343022)
井樋 慶一 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60232427)
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キーワード | 膵ラ島β細胞 / α_1-アドレナリン受容体 / 受容体抗体 / PCR / 肝細胞 / インスリン分泌 / フォスフォリパーゼC |
研究概要 |
まず、膵ラ島β細胞のα_1-アドレナリン受容体の存在を確認するために、ラットより膵ラ島を摘出し、PCR法によりメッセージを検索した。現在クローニングされているα_1-アドレナリン受容体のサブタイプはα_<1A>、α_<1B>、α_<1D>である。さらに、α_1-アドレナリン受容体のラ島内の局在を調べるために、蛍光免疫染色を行った。 その結果、以下のことが判明した。 1.PCR解析から、ラット膵ラ島にはα_1-アドレナリン受容体(α_<1A>、α_<1B>、α_<1D>)のメッセージが確認された。 2.PCR強度から、α_<1D>メッセージはその他のα_<1A>、α_<1B>に比して弱かった。 3.膵標本におけるα_1-アドレナリン受容体(α_<1A>、α_<1B>、α_<1D>)の抗体を用いた蛍光免疫染色では、α_<1A>、α_<1B>、α_<1D>はラ島に観察されなかった。単離ラ島β細胞を用いて蛍光免疫染色でも、α_<1A>、α_<1B>、α_<1D>は確認されなかった。 4.同じく、本研究で、α_<1A>、α_<1B>、α_<1D>-アドレナリン受容体のメッセージが確認された肝組織を用いた免疫染色でも、いずれの受容体もその存在が確認されなかった。 これらの結果から、以下のことが結論される。 1.ラット膵ラ島において、α_1-アドレナリン受容体の3亜型(α_<1A>、α_<1B>、α_<1D>)の遺伝子発現情報は確認された。このことは、膵ラ島においてはα_1-アドレナリン受容体は発現していないとするこれまでの定説を覆すものである。 2.今回使用したα_1-アドレナリン受容体の特異的抗体は、受容体の発現が解明している肝細胞でも染色されなかったので、適正でなかったと考えられる。α_1-アドレナリン受容体の局在を確認するために、さらに研究を進める必要がある。
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