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2004 年度 実績報告書

細胞骨格による容量性Ca^<2+>流入制御のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 16590165
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

尾松 万里子  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (80161397)

キーワード容量生カルシウム流入 / P2受容体 / ATP / 細胞内カルシウム / 細胞骨格 / アクチン / 小胞体 / 褐色脂肪細胞
研究概要

ラット褐色脂肪細胞において,容量性Ca^<2+>流入の制御と細胞骨格アクチン構築との関係を細胞内Ca^<2+>濃度測定法および蛍光標識したphalloidinによるアクチン染色法を用いて検討した.NoradrenalineはGq/PLC連関型受容体であるα受容体を介して容量性Ca^<2+>流入を引き起こす.また,小胞体Ca^<2+>ポンプ阻害剤であるthapsigarginも小胞体のCa^<2+>ストアを枯渇させることにより容量性Ca^<2+>流入を活性化する.これらの薬剤投与中に細胞骨格アクチンの分布が変化しているかどうかを調べたところ,大きな変化はないことがわかった.細胞をアクチンの脱重合剤であるcytochalsin Dやlatrunculin Aによって処理してもnoradrenalineならびにthapsigarginによる細胞外からのCa^<2+>流入は阻害されなかったことから,容量性Ca^<2+>流入の活性化と維持にはアクチン骨格の影響が少ないと考えられた.一方,細胞外ATPはP2受容体を介して小胞体からのCa^<2+>放出を引き起こすとともにnoradrenalineやthapsigarginによって活性化された容量性Ca^<2+>流入を阻害する.ATPを細胞に投与するとアクチンは細胞膜近傍に強く集積し,細胞形態も大きく変化すること,およびこれらの効果はP2受容体を介していること,がわかった.cytochalsin Dやlatrunculin A存在下では,ATPによるアクチン重合は観察されず,容量性Ca^<2+>流入阻害も起こらなかった.以上のことから,細胞ATPによる細胞骨格アクチンの再構築は容量性Ca^<2+>流入阻害と関連している可能性が高いことが推察された.(Omatsu-Kanbe et al.,2004)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Identification of endogenous surrogate ligands for human P2Y receptors through an in Silico search2004

    • 著者名/発表者名
      Hiramoto, T.
    • 雑誌名

      J.Pharmacol.Sci. 95

      ページ: 81-93

  • [雑誌論文] Actin filaments play a permissive role in the inhibition of store-operated Ca^<2+> entry by extracellular ATP in rat brown adipocytes2004

    • 著者名/発表者名
      Omatsu-Kanbe, M.
    • 雑誌名

      Biochem.J. 381

      ページ: 389-396

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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