研究課題/領域番号 |
16590180
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
加藤 昌克 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90143239)
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研究分担者 |
佐久間 康夫 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70094307)
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キーワード | GnRHニューロン / GFP / トランスジェニック / パッチクランプ / カルシウムチャネル / カリウムチャネル / GABA / GABAA受容体 |
研究概要 |
GnRHニューロンを遺伝子工学的に増強緑色蛍光タンパク(EGFP)で標識したトランスジェニックラットからGnRHニューロンを単離培養し、細胞生理学的解析を行った。成熟ラットのGnRHニューロンは(GABA100μM)に反応して細胞内遊離カルシウム濃度を変化させた。50〜70%の細胞で細胞内遊離カルシウム濃度の上昇が、7〜22%の細胞で抑制が見られた。これらの反応はGABAA受容体の拮抗阻害剤bicuculine(100μM)で完全に抑制され、アゴニストであるmuscimol(100μM)で同様の反応が誘起されたことから、GABAによる反応はGABAA受容体を介するものと考えられる。また、GABAによる細胞内遊離カルシウム濃度の上昇は外液カルシウムイオンの除去で完全に抑制されたことから、GABAはGnRHニューロンを脱分極し膜電位依存性カルシウムチャネルを活性化すると考えられる。反応パターンは幼弱期から思春期を経て成熟ラットに至るまで大きな変化は見られなかった。雌雄およびメスラットの性周期でも反応パターンに大きな変化は見られなかった。成熟ラットから得られた同一標本上のEGFPで標識されていないニューロンではGABAにたいして細胞内遊離カルシウム濃度の上昇をおこす細胞は見られなかった。以上から、GnRHニューロンでは成熟後も細胞内塩素イオン濃度が高く保たれ、その結果GABAA受容体の活性化で脱分極すると結論される。
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