研究課題/領域番号 |
16590186
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研究機関 | 岡山学院大学 |
研究代表者 |
上月 久治 岡山学院大学, 人間生活学部, 教授 (20175326)
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研究分担者 |
藤野 英己 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (20278998)
友近 健一 岡山学院大学, 人間生活学部, 教授 (00093691)
梶谷 文彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70029114)
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キーワード | インスリン抵抗性 / 骨格筋 / 微小循環 / 酸素消費量 |
研究概要 |
1.自然糖尿病発症モデル動物OLETFおよびその対照動物LETOの耐糖能異常を確認するため16週で血糖およびインスリン濃度の測定を行った(n=4)。血漿インスリン濃度はELISA法により測定した。インスリンおよび血糖値は有意に増大し16週ですでに耐糖能異常、インスリン抵抗性であることが示された。 2.16週でOLETFおよびLETOのヒラメ筋の毛細血管三次元ネットワーク構造を共焦点走査顕微鏡により検討した(n=4)。縦走方向毛細血管の径および数はOLETFで有意に減少した。吻合路の径はOLETFで有意に減少したが、吻合路の数は有意に増大した。毛細血管ネットワークで毛細血管の吻合から吻合までの長さsegment lengthはOLETFで有意に減少した。毛細血管の容積はOLETFで有意に減少した。これらの変化は毛細血管の吻合路の増大が主な変化であることを示唆した。そこで骨格筋でも産生される血管内皮増殖因子VEGFを4例であるが測定した。結果はOLETFで有意の増大は観察されなかった。今後、さらに検討する。 3.16週でOLETFおよびLETOのヒラメ筋および腓腹筋の毛細血管赤血球速度の測定をペンシル型生体顕微鏡により行った(n=4)。ヒラメ筋の毛細血管赤血球速度は腓腹筋に比較して有意に低かった。OLETFの腓腹筋の赤血球速度は有意の変化を示さなかったが、ヒラメ筋の赤血球速度は有意ではなかったが増大する傾向を示した。共焦点顕微鏡像での側路の増大との関連が注目される。 4.HE染色およびアルカリフォスファターゼ染色の結果、ヒラメ筋の筋線維横断面積は16週でOLETFで有意に増大、腓腹筋は逆に減少を示した。毛細血管/筋線維比(C/F ratio)はヒラメ筋では有意の変化を示さなかったが、腓腹筋で有意に増大した。今後ミオシン重鎖のアイソザイムの変化、HSPの変化の検討を行う。
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