• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

微生物由来細胞分化誘導因子によるサイクリンD1分解機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16590198
研究機関九州大学

研究代表者

高橋 富美  九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50274436)

研究分担者 渡辺 裕  愛媛大学, 工学部, 教授 (40114722)
キーワード増殖抑制 / がん / サイクリンD1 / 細胞周期
研究概要

Differentiation-inducing factor(DIF)は細胞性粘菌Dictyosteliumが分泌する化学物質で、粘菌の分化を誘導する物質として単離され構造が決定されたが、最近の研究から哺乳類の腫瘍細胞や血管平滑筋細胞にも分化誘導・増殖抑制作用を持つことが明らかとなっている。我々はDIFの増殖抑制効果の作用発現機構について、サイクリンD1への作用に主眼をおいて検討を行なった。
DIFは濃度依存性にHeLa細胞の増殖を抑制し、これはサイクリンD1の分解促進・mRNA発現抑制による細胞周期拘束のためであると思われた。また、DIFはglycogen synthase kinase-3β(GSK-3β)を活性化することによりこの作用を発揮していることが示唆された。また、ヒトサイクリンD1遺伝子配列には、その分解に関係しているとされるアミノ酸が4箇所報告されている。(1)destruction boxを構成するArg^<29>、(2)destruction boxを構成するLeu^<32>、(3)GSK-3βによってリン酸化を受けるとされるThr^<286>、(4)DYRK1Bによってリン酸化を受けるとされるThr^<288>、以上の4箇所である。上記4種類のサイクリンD1の変異体を作製し、それらに及ぼすDIFの効果を検討したところ、サイクリンD1の286位と288位のThrのリン酸化がDIFによるこのタンパク質の分解促進に大きな役割を果たしていることが明らかとなった。これは、DIFがGSK-3βを活性化するという知見によく一致するものと思われる。今後さらに、DIFの標的分子解明を含めた、情報伝達系について検討していく予定である。

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi