研究課題/領域番号 |
16590205
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
笹川 展幸 上智大学, 理工学部, 助教授 (20187107)
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研究分担者 |
村山 典恵 上智大学, 理工学部, 助手 (90219949)
熊倉 鴻之助 上智大学, 理工学部, 教授 (70129790)
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キーワード | 開口分泌 / ドパミンニューロン / アンペロメトリー / 単一細胞 |
研究概要 |
(1)ドパミンニューロンでの開口分泌解析 生後2-4日のSDラット腹側中脳よりドパミンニューロンを効率良く調整し長期培養する実験系を検討した。ドパミンニューロンの収率は20〜40%であり、ニューロン単独での無血清倍地を用いた培養法では少なくとも2週間は培養可能になった。この培養細胞系でアンペロメトリー法による開口分泌測定を試みているが、シグナルが微弱で安定した測定結果は今までのところ得られていない。長期培養により分泌機能が亢進するという報告があることから、3週間を超える長期の培養とグリア細胞層上での長期培養法を検討中である。分泌されるドパミン量の増加作用のあるGDNFの作用確認や、測定感度を上げるためアンペロメトリー法の改良も平行して進めている。 (2)PC12h細胞での開口分泌解析法の確立 PC12h細胞は神経成長因子(NGF)に応答し、形態的に長い神経線維をのばし、種々の神経細胞としての機能を高め、交感神経細胞の形質を発現する形で分化する事が良く知られている。また、PC12h細胞はPC12細胞のなかでも、チロシン水酸化酵素(TH)活性が高い亜株であることからドパミンの含有量と分泌活性が比較的高い神経内分泌細胞であることも特徴の1つである。本年度は、PC12h細胞に外からドパミンを更に取り込ませた単一細胞をもちいたアンペロメトリー法による開口分泌測定系をセットアップし報告した(Cellular and Molecular Neurobiology, in press)。更にこの方法を用い、NGFにより交感神経細胞様に分化させた細胞での開口分泌反応の変化を検討したところ、分化にともないドパミン含有大型有芯小胞の開口速度の増加が認められた、現在詳細な検討を進めている。
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