研究課題
内因性のLPA受容体を持たないラット神経芽腫B103細胞に、遺伝子導入によりLPA_4受容体を安定発現させた。この細胞を用いて、LPA_4受容体がLPAに応答して細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させること、低分子Gタンパク質であるRhoを介して神経突起の退縮や細胞間接着に起因する形態変化を起こすことを明らかにした。同じくB103細胞に安定発現したLPA_4受容体も神経突起退縮を起こすが、その作用はLPA_4受容体ほど強くなかった。これはLPA_4受容体がLPA_4受容体とは対照的に百日咳毒素感受性三量体Gタンパク質G_<i/o>と共役していないことが原因の一つと考えられた。LPA_1受容体はマウスの神経系において、脳の発生、神経因性疼痛、脳溝の形成など多岐に渡る機能を果たすことが既に明らかになっていることから、今回の研究成果はLPA_4受容体が個体レベルでも神経系の機能に関与する可能性を強く示唆する。ペプチド抗原をもとにしてマウスLPA_4受容体に対するウサギポリクローナル抗体を作製した。これが実際にLPA_4受容体を認識することは、LPA_4受容体の発現が高いマウス胎児脳のウェスタンブロッティング及び上記のLPA_4受容体を安定発現するB103細胞のフローサイトメーター解析で確認した。LPA_4受容体遺伝子を相同組換えで破壊したES細胞を獲得した。このES細胞から作製したキメラマウスから、LPA_4受容体遺伝子ヘテロ欠損マウスが生まれることを確認した。
すべて 2006 2005
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