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2004 年度 実績報告書

成長因子の2つの細胞内トラフィック

研究課題

研究課題/領域番号 16590223
研究機関名古屋大学

研究代表者

門松 健治  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80204519)

研究分担者 村松 壽子  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50182134)
キーワード成長因子 / エンドサイトーシス / ミッドカイン / プロテアゾーム
研究概要

本研究では成長因子の2つのトラフィック(分泌系生合成とエンドサイトーシス後トラフィック)に取り組んできた。今年度は特にエンドサイトーシス後のトラフィックについて進渉があった。ヨードラベルしたMKのエンドサイトーシス後の分解をみると、リソゾーム阻害剤、プロテアゾーム阻害剤両者とも同等の分解抑制を示したが、核画分に注目するとプロテアゾーム阻害剤のみがMK分解を抑制した。一方、小胞体・ゴルジ体間輸送の阻害剤は抑制効果を示さなかった。そこで、細胞質で産生されるMK(シグナルシークエンスを欠く)を発現させた。細胞質で産生されるMKは核へと移行した。そしてこの核移行はプロテアゾーム阻害剤で増強した。さらに細胞質で産生されるMKはユビキチン化を受けた。これらのデータは成長因子MKがエンドサイトーシス後に細胞質へ何らかの機構で確かに移行すること、そして細胞質あるいは核へ移行したMKがプロテアゾームによって分解されることを示唆している。
エンドサイトーシス後のトラフィックについては、神経芽腫TGW細胞のレチノイン酸処理あるいはCHO細胞のMK過剰発現の解析から、MKが未熟はLDL receptor-related protein(LRP)と結合して小胞体内で凝集体を形成していることを証明した。そこでLRPの小胞体シャペロンであるRAPの発現を補うとMKの分泌が促進された。RAPの導入により凝集体形成が抑えられ、レチノイン酸による細胞死も抑制された。そして、RAPの高発現がヒトの癌組織で実際に起こっており、MKの発現プロフィールと一致することを見出した(投稿準備中)。
また、虚血再灌流による腎障害、シスプラチン腎症さらには癌進展に対してMKアンチセンスオリゴヌクレオチドが効奏することを示した。これらの病気の治療にMKが分子標的となりうることを示せたといえる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Midkine antisense oligodeoxyribonucleotide inhibits renal damage induced by ischemic reperfusion.2005

    • 著者名/発表者名
      Sato, W., Takei, Y., Yuzawa, Y., Matsuo, S., Kadomatsu, K., Muramatsu T.
    • 雑誌名

      Kidney Int. (in press)

  • [雑誌論文] Morpholino antisense oligomer targeting human midikine : its application for cancer therapy.2005

    • 著者名/発表者名
      Takei, Y., Kadomatsu, K., Yuasa, K., Sato, W., Muramatsu, T.
    • 雑誌名

      Int.J.Cancer 114

      ページ: 490-497

  • [雑誌論文] Proteasomal degradation of the nuclear targeting growth factor midkine.2004

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, N., Shibata, Y., Urano, T., Murohara, T., Muramatsu, T., Kadomatsu, K.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 279

      ページ: 17785-17791

  • [雑誌論文] A small interfering RNA targeting vascular endothelial growth ffactor as cancer therapeutics.2004

    • 著者名/発表者名
      Takei, Y., Kadomatsu, K., Yuzawa, Y., Matsuo, S., Muramatsu, T.
    • 雑誌名

      Cancer Res. 64

      ページ: 3365-3370

  • [雑誌論文] Midkine and pleiotrophin in neural development and cancer.2004

    • 著者名/発表者名
      Kadomatdu, K., Muramatsu, T.
    • 雑誌名

      Cancer Lett. 204

      ページ: 127-143

  • [雑誌論文] Lack of the growth factor midkine enhances survival against cisplatin-induced renal damage.2004

    • 著者名/発表者名
      Kawai, H., Sato, W., Yazawa, Y., Kosugi, T., Matsuo, S., Takei, Y., Kadomatsu, K.
    • 雑誌名

      Am.J.Pathol. 165

      ページ: 1603-1612

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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