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概日リズムは生物が環境に適応するために必要とする最も基本的な性質の一つである。哺乳類では、視床下部視交差上核(SCN)によって約24時間のリズムが作り出され、それが明暗周期などの外界からの刺激に同調することにより、24時間周期のリズムが作り出されている。我々は、哺乳類概日リズムの光による同調に、BIT/SHPS-1が関与することを見出し、その機能解析を行ってきた。最近我々は、このBITのチロシンリン酸化が、光刺激のみならず、寒冷曝露などのストレス条件下でも亢進することを見出し、さらに、モノクローナル抗体によって脳内においてBITのチロシンリン酸化を誘導することにより、リズムの同調並びに、交感神経の活性化を誘導することを見出した。我々の研究室では、BITが、概日リズムの中枢であるのみならず、自律神経の制御にも中心的な働きをしていると考えているが、上記の実験結果は、BITがSCNにおいて概日リズムの同調とともに自律神経制御にも関わることを示唆しており、これらを通じてBITが体内環境の恒常性維持のために重要な役割を担うことが示唆された。
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