シスチン・グルタミン酸トランスポーター6.さらに月齢を加えたときのマウスの長期にわたる表現型の変化に関して実験を行ったが、時間の都合上まとめ上げるには至らず、今後の課題として残された。6.さらに月齢を加えたときのマウスの長期にわたる表現型の変化に関して実験を行ったが、時間の都合上まとめ上げるには至らず、今後の課題として残された。系は細胞外のシスチンを細胞内のグルタミン酸との交換輸送によって細胞内へ輸送する。このトランスポーターはxCTと4F2hcという二つのタンパク質からなるが、本研究では輸送担体と考えられるxCTの遺伝子を改変したマウスを作製し、そのマウスを解析することによりx_c系の個体における役割を明らかにすることを目的とした。研究の成果は以下の通りである。 1.xCTをコードする遺伝子をノックアウトしたマウスの作製に成功した。遺伝子が欠損していることは、サザンプロット法等で確認し、また、トランスポーター活性が完全に欠如していることも確認した。 2.このマウスは生後6ヶ月ほどまでは順調に生育し、繁殖能力も正常であった。8週齢のマウスについて、各臓器の組織学的検査、血液の血液学的検査の結果は異常を認めなかった。 3.8-10週齢のマウスで血漿アミノ酸を測定したところ、野生型に比べ、シスチンが有意に高かった。また、血漿の還元型グルタチオンが低下していた。これらのことは、このノックアウトマウスで血漿のレドックスが酸化に傾いていることを示している。 4.このノックアウトマウスの妊娠14日胚を用いて細胞培養を行ったところ、通常の培養条件下では培養できず、細胞が死滅していくことが観察された。この細胞は培地のシスチンを利用できず、結果として細胞内のグルタチオンが減少し、死に至るものと考えられた。 5.このノックアウトマウス個体に高酸素などの酸化ストレス、炎症刺激などを負荷して生存率を調べたが、野生型と比べ、有意な差は認められなかった。 6.さらに月齢を加えたときのマウスの長期にわたる表現型の変化に関して実験を行ったが、時間の都合上まとめ上げるには至らず、今後の課題として残された。
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