TRTRNB(RはTと対を成すG/hypoxanthine)配列を持つヘテロ2重鎖DNAに特異的・高親和性に結合する新奇GTミスマッチDNA結合タンパク質(nGTBP)の構造・機能解析を目指した。 1.nGTBPの部分配列をLC/MS/MSで決めるために、HL60-c-15の抽出液から、核抽出液超遠心→ゲル濾過カラム→ヘパリンカラム→GCマッチDNAカラム(フロースルー)→GTミスマッチDNAカラム→SDS-PAGEによる精製を行った。しかし、精製度が十分でなく更なる精製が必要とわかった。したがって、解析手段を発現クローニング法に変えた。 2.CYBBプロモータのbp-183〜-170(-177GTmismatch)をプローブにしたサウスウェスタン法を確立した。実験系を確率した後、HL60細胞株のcDNAライブラリーから6.4×10^7クローンについて一次スクリーニングを行い、陽性クローン125個が得られ、そのうち75個が二次クローニングでも陽性であった。しかし、全てがGCホモ二重鎖へも結合し、GTミスマッチ特異性を示さなかった。 3.2の二次スクリーニングで陽性だった15個クローンのインサート配列を決定したところ、全て転写因子YB-1に一致していた。この事は、本スクリーニング法は、GT特異性さえ加味すれば有効であることを示唆しており、スクリーニング系にYB-1をよく結合するDNAを大量に加え、選択性を高める事とした。 4.ペンディングとしていたnGTBPの精製系を、二次元電気泳動-サウスウェスタン法で確立できた。これで得られるであろうTRTRNB配列特異的なスポットを得て、その一次構造の一部をLC/MS/MSで決定できるようになった。
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