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2005 年度 実績報告書

PCS(早期染色分体解離)遺伝形質に伴う高発がん性の機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16590261
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

池内 達郎  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (90041839)

研究分担者 吉田 光明  放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 室長 (60182789)
キーワード早期染色分体解離 / 紡錘体形成チェックポイント / 異数性細胞 / 染色体不安定性 / 高発がん性遺伝形質 / BubR1
研究概要

PCS(premature chromatid separation,早期染色分体解離:OMIM#176430)は、分裂期の紡錘体形成チェックポイント障害による染色体不安定性(異数性細胞の産生)を基点とした新しい高発がん性の遺伝形質である。PCS遺伝形質は家系内で優性遺伝し、ヘテロ接合の保因者は健常であるが、ホモ接合個体は重度の先天異常とともに多くが腫瘍(とくにウィルムス腫瘍)の発生を伴う。本研究では、PSCの遺伝学的素因の解明とともに、腫瘍の発生機構を明らかにすることを目的としている。本年度はとくに、原因遺伝子の変異解析に成果が得られた。
1.紡錘体形成チェックポイントに関わるタンパクのひとつであるBUBR1の遺伝子BUB1Bについて本邦7家系を対象に解析を行い、そのいずれにも突然変異を同定し得た:一塩基欠失が4家系に、3家系のそれぞれにスプライス変異、ナンセンス変異、ミセンス変異(広島大学・松浦教授らとの共同研究:Matsuura et al. : Am J Med Genet, 140A:358,2006)。
2.PCS患児に発生した腫瘍では、特異的に11番染色体が片親(父方)ダイソミー(UPD)であることを認めており、本疾患では体細胞における高頻度な染色体不分離現象(ある染色体の増加につづく消失)が、UPD発生の素地であることが示唆される(国内学会報告、2005)。
3.PCSの新たな2家系がみつかり、臨床症状とともに、染色体検査(PCSの検出頻度)と遺伝子解析(BUB1B変異)により確定診断ができた。このうち1例のPCS患児から腫瘍サンプルが得られ、培養細胞の染色体解析と多型性DNAマーカーの検索を施工中である(米国学会報告、2005)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Monoalleic BUB1B mutations and defective mitotic-spindle checkpoint in seven families with premature chromatid separation(PCS)syndrome.2006

    • 著者名/発表者名
      Matsuura S, et al., Ikeuchi T, Kajii T
    • 雑誌名

      American Journal of Medical Genetics 140A

      ページ: 358-367

  • [雑誌論文] Two infancts with homozygous premature chromatid separation trait.2005

    • 著者名/発表者名
      Numabe H, Ikeuchi T, Kajii T, Kusakawa I, Sato I, Kosugi S
    • 雑誌名

      55^<th> Annual Meeting, American Society of Human Genetics

      ページ: #807

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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