研究課題
アルツハイマー病第12染色体短腕でのリスク遺伝子座位のゲノムスキャンでは、診断確実なアルツハイマー病188例および一般集団由来非痴呆対照375例を対象として、約100kb間隔でのSNPスキャンをおこなった(第一ステージ)。その結果、第12染色体短腕座位では300kbにわたる領域にリスク効果が検出された。一方、検出漏れを防止する必要性を考慮して、アレル頻度、ゲノタイプ頻度、発症年齢促進効果、および年齢/性/APOE-e4アレル量とのロジスティック解析をおこない、これらの統計方法のいずれかでリスク効果を示した73SNP(389SNPの18.8%)を選出し、第二ステージとしてアルツハイマー病375例および一般集団由来非痴呆対照375例に対象を拡大してリスク解析をおこなった。その結果、上述したロジスティック解析で有意なリスク効果を示す15SNP、ハプロタイプリスクを示す隣接した2SNP、および発症年齢相関を示す1SNP、合計18SNPが選別された。第一ステージで300kbの範囲でリスク効果が検出された座位は詳細なハプロタイプ解析を実施中である。なお、現段階では転写調節に関わる1遺伝子領域にリスク効果が著しい。なお、Public databaseではこの遺伝子の座位が分断されでいることも判明した。この遺伝子は12p-terから27.0Mb〜27.3Mbに位置しているが、この座位はアルツハイマー病との連鎖が報告されているD21S1042(27.5Mb)およびD12S1057(24.6Mb)と一致していた。したがって、多遺伝子疾患のリスク遺伝子座位がSNPスキャンで検出同定できることが検証された。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
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