研究課題
アルツハイマー病188例および一般集団由来非認知症対照375例を対象として、第21染色体でのリスク遺伝子座位を約100kb間隔での456SNPによる領域限定スキャンをおこなった(一次ステージ)。その結果、59SNP(14.1%)に発症関連効果を認めた。さらに、DOP-PCRにより増幅したDNAを用いてアルツハイマー病378例のゲノタイピングと先のコントロール375例を対象とした二次ステージでは、これらの抽出された59SNPの中の14SNP(元のSNP数では1.2%)に有意な発症リスク効果を認めた。そのひとつはダウン症候群発症責任領域(Down syndrome critical region)に位置したDYRK1A遺伝子であった。そこでDYRK1A遺伝子に着目して詳細なハプロタイプ解析をおこなったところ、遺伝子上流に位置するSNPに機能が予測された。すなわち転写因子の結合がリスクアレルでは失われていると予測された。そこでこのSNPゲノタイプと脳でのDYRK1A発現との関係を検討したところ、リスクアレルホモキャリヤーでは発現が低下していた。一方、アルツハイマー病全体でみるとDYRK1A発現は上昇しており、DYRK1Aが神経保護的に作用している可能性が示唆された。培養細胞での機能解析では、酸化ストレスによりDYRK1Aの発現が上昇することが見い出され、DYRK1Aが神経保護的に作用している可能性を支持した。
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