研究課題/領域番号 |
16590275
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
服部 隆則 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70079721)
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研究分担者 |
杉原 洋行 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (30171169)
向所 賢一 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50343223)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 系譜解析 / 胃癌 / CGH / p53 / 粘液形質 |
研究概要 |
本研究では、CGHによる系譜解析を各種胃癌に適用することによって、形態や粘液形質の面から同じものとして分類されていた腫瘍どうしが、異なる系譜上にある可能性がないかどうかを明らかにしようとした。その結果、胃型分化型腺癌と印環細胞癌は、同じ「胃型系列」にあっても、CGHパタンからは異なる系譜にあることが分かった。一方、腺管成分(TC)を伴わない進行期のPOR(主として浸潤部)のほとんどが胃型の粘液形質を示したのに対して、早期の印環細胞癌の1/2から2/3が胃腸混合型の粘液形質を示した。CGHによる系譜解析では、早期の印環細胞癌が進行期の未分化型胃癌になることが示されているので、粘液形質は系譜を反映するものではなく、進展過程で変化したり、選択されたりすると考えられた。また、分化型の早期癌が未分化型の進行癌に移行することが多くの研究者によって想定されているが、この両者の間には、CGHやTP53の変化から見る限り、系譜上は必ずしも連続していないことが分かった。一方、同じ方法を使って、TCを伴う未分化型胃癌の2/3が腺管腺癌に由来することが明らかになったことから、分化型の未分化型化が存在することは明らかであるが、通常の分化型の早期癌が未分化型化することは、多くの研究者が想定しているよりもまれな事象である可能性がでてきた。この点は早期癌の治療を考える上でも極めて重要であるので、さらに系譜解析のデータを蓄積して解明しなければならないと考えている。
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