研究課題/領域番号 |
16590311
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 修吾 京都大学, 医学研究科, 助手 (80372580)
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研究分担者 |
中村 肇 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70303914)
増谷 弘 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (50252523)
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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キーワード | レドックス / チオレドキシン / 固形腫瘍 / 抗癌剤 / 遺伝子組み換え蛋白質 / 腫瘍増殖 |
研究概要 |
レドックス制御蛋白ヒトチオレドキシンの固形腫瘍増殖に及ぼす影響について検討した。まず、遺伝子組み換えヒトチオレドキシン蛋白(rhTRX)を作製し、細胞増殖に及ぼす影響を調べた。in vitroにおいて、蛍光ラベルされたrhTRXがヒト大腸癌細胞株HT-29とHCT-116に結合することをフローサイトメータで確認した。rhTRX添加培養は、HT-29,HCT-116のin vitro細胞増殖速度に影響しなかった。 次にHT-29細胞をヌードマウス皮下に接種し、皮下腫瘍の増殖を観察した。rhTRXをマウス腹腔内注射、または浸透圧ポンプシステムによりマウス皮下に持続注入した。その結果、rhTRX投与は皮下腫瘍の増殖速度には影響しなかった。 HT-29細胞はin vitroで種々の抗癌剤の中でも特にCPT-11に感受性を有した。さらにHT-29マウス皮下腫瘍におけるCPT-11至適治療用量と投与法を決定し、rhTRXの併用投与がCPT-11感受性に及ぼす影響を調べた。その結果、rhTRX投与は、コントロールPBS投与群と比較し、CPT-11によるHT-29腫瘍縮小効果に影響を示さなかった。 以上より、rhTRX投与は腫瘍増殖促進作用を示さず、抗癌剤の腫瘍抑制効果を妨げることもなかった。現在、rhTRXを抗癌剤副作用などで生じる急性肺障害に対する新規治療剤として探索医療の準備を進めており、この結果は、担癌患者へのrhTRX投与の安全性を示唆する知見である。
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