1.がん特異的CTL認識抗原の同定 (1)マウスモデル系でのがん抗原の同定 マウスモデルにおける免疫反応動態の解析のために、これまでに、マウス線維肉腫Meth Aに対する細胞傷害性T細胞(CTL)認識抗原Rampを同定した。さらに、よりドミナントな抗原検索を目的として、新たにCTLクローンを樹立し、CTLの反応はH-2D^d拘束性であることを明らかにした。抗原の同定のためのエリスポットクローニング用として、2x10^7個の腫瘍細胞からmRNAを採取し、cDNAを得、発現ベクターpcDNA3.1に組み込みライブラリーを作成した。 (2)ヒト自家がん特異的CTL認識抗原の同定 腎癌 ヒト腎癌CTL認識抗原の検索のためのCTLの樹立を目的とし、患者腹水より得たCD8陽性T細胞を腫瘍細胞で2回刺激培養し、IFNγ産生を指標とした1次スクリーニングの結果、特異反応性CD8T細胞の存在が確認された。 肺癌 肺癌特異的CTLクローン(OU-LU-26)を用いたCTL認識がん抗原遺伝子のクローニング 患者胸水より樹立されたCTLは、HLA抗体を用いた阻止試験、および、他の肺癌細胞との反応性の検討から、HLA-A24拘束性にOU-LU-26を特異的に認識していることが明らかになった。培養肺癌細胞OU-LU-26株2x10^7個の細胞から採取したmRNAからcDNAを得、発現ベクターpcDNA3.1に組み込みライブラリーを作成した。293T細胞にHLA-A24遺伝子およびライブラリー遺伝子をリポフェクション法で導入し、1次、2次とIFNγエリスポットクローニングを進めている。 2.マウス腫瘍モデルでの免疫反応動態の解析 マウス白血病RL male 1のCTL認識抗原RL-Akt蛋白を免疫したマウス脾細胞よりRL-Akt特異的CD4T細胞株を樹立した。特異的CD4T細胞株の反応エピトープの同定、および抗腫瘍免疫誘導能について解析を進めている.
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