研究課題
基盤研究(C)
1)血栓の組成の検討:人体における血栓およびそれに伴う血栓の器質化/内膜肥厚の組成を確認するために、心筋梗塞症例病理解剖例において、責任冠状動脈における血栓の組成を検討した。その結果、プラーク破裂症例ではフィブリン優位の血栓が形成され、プラークびらん症例では血小板優位であるがいずれの場合でも混合血栓であることがあきらかとなった。(Heart,2005)この結果は、動脈硬化発生の基盤となる内膜肥厚巣の形成の初期には内膜肥厚の成長因子として血小板のみならず、フィブリン血栓を形成する凝固因子の関与が示唆された。(J Atheroscl Thromb,2005)2)PAR2のマウスおよびヒトにおける生体内分布の検討:C57BL/6マウスおよびPAR2ノックアウトマウスより全身の組織を採取、10%ホルマリンおよび4%パラホルムアルデハイドによる固定後のパラフィン切片および凍結組織からの凍結切片において作製済みの抗マウスPAR2活性化ペプチドに対する抗血清および市販のPAR2に対する特異抗体を用いた免疫組織学的検討を行ったが、両者に差異は無く、抗体および抗血清のマウス組織における免疫組織学的検索に適していないことが考えられた。また、死後6時間以内の剖検例より全身各臓器を採取し、薄切凍結切片における免疫組織学的に同様に検討したが、平滑筋細胞・消化管上皮に発現を認めるものの、PAR2の存在様式とは染色性が異なっており信頼性に乏しく、マウス同様、明確な細胞局在を見出し得なかった。3)骨髄移植マウスにおける検討:致死量放射線照射を必要としない骨髄移植法を用い、GFPマウスの骨髄細胞を、雄性C57BL/6に移植後、ナイロン糸留置法にて血栓/内膜肥厚モデルを作製し、血栓の器質化/内膜肥厚に関与する細胞の特性を同定した。骨髄移植生着確認後、ナイロン糸留置後4週目に蛍光顕微鏡下にGFP陽性細胞の関与を検討したが、同部位への骨髄由来GFP陽性細胞は極少数に留まり、ほとんど関与しないことがあきらかとなった。(論文作成中)
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (27件) 図書 (1件)
Journal of Thrombosis and Haemostasis 4(1)
ページ: 114-120
ページ: 247-255
American Journal of Cardiology 97(1)
ページ: 26-28
Cardiovascular Research 70(1)
ページ: 158-164
Pathology Research and Practice (in press)
成人病と生活習慣病 35(10)
ページ: 1088-1096
日本血栓止血学会雑誌 17(1)
ページ: 29-37
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis 12(1)
ページ: 1-8
Circulation 111(6)
ページ: 808-815
Heart 91(4)
ページ: 526-530
American Journal of Cardiology 90(5)
ページ: 632-635
American Journal of Cardiology 95(5)
American Journal of Pathology 167(4)
ページ: 1139-1148
European Journal of Pharmacology 508(1-3)
ページ: 201-204
Cardiovascular Research 65
ページ: 921-929
分子心血管病 6(1)
ページ: 19-26
Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology 24(12)
ページ: 2420-2424
Circulation Research 95(9)
ページ: 945-952
Circulation 110(4)
ページ: 426-431
American Journal of Cardiology 94
ページ: 104-107
American Journal of Cardiology 93
ページ: 611-614
Heart 90
ページ: 1206-1210
Biochemical and Biophysical Research Communications 325
ページ: 80-84