研究課題
基盤研究(C)
動脈硬化症の発症、進展における炎症性機序の関与とその治療的方策を検討した。培養血管平滑筋細胞において、酸化LDLに含まれる強力な脱分化促進物質LPAが増殖能亢進だけではなく、NADPH依存性の細胞内酸化ストレス亢進、低分子量G蛋白racの活性化を介してケモカインであるMCP-1産生をもたらし、炎症型形質の存在が示唆された。このような炎症性シグナリングは、抗酸化剤だけではなく、スタチン投与により抑制され、薬理学的な治療、病態改善の可能性が示唆された。ApoE欠損動脈硬化モデルマウスを用い、代表的Th1型サイトカインINF-γの可溶性受容体の過剰発現により動脈硬化性病変の抑制を認め、この事は動脈硬化性機転におけるTh1型獲得免疫反応の重要性と免疫調整療法の治療的意義を示唆するものである。また易動脈硬化性B6系マウスに、Th2反応の主要細胞内伝達経路であるSTAT6欠損を導入したところ、Th1反応優位型の免疫学的特性に加え、肥満や耐糖能異常など生活習慣病的形質を示し、Th1/Th2バランスの異常が血管病変形成に関与する可能性が示唆された。変異型IL-4を用いた細胞生物学的解析や治療法開発については、マウスのwild type IL-4及び細胞特異性Q116E IL-4 mutein遺伝子を、pAdvCMVLinkl (shuttle型発現vector)にsubcloningし、primary cultureで分離したマウスの血管壁細胞への遺伝子導入や炎症型形質発現への影響を検討、in vivoの実験にも有用なIL-4 muteinのadenovirus vectorの開発を行った。以上の研究結果は、動脈硬化の炎症性側面を一層強固し、炎症機転、免疫反応の修飾による治療的効果を期待させる知見と考えられる。研究助成に深謝し、引き続き心血管病の病理学的諸問題の解決のため精進したい。
すべて 2008 2007 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (48件) (うち査読あり 24件) 学会発表 (8件)
Int J Oncol 32
ページ: 467-473
Eur Respir J 31
ページ: 287-297
Biochem Biophys Res Commun 360
ページ: 525-530
Hypertens Res 30
ページ: 259-267
Circ Res 101
ページ: 348-356
Am J Respir Crit Care Med 176
ページ: 49-62
Int J Clin Oncol 12
ページ: 17-24
Biochem Biophys Res Commun 354
ページ: 712-719
Vascul Pharmacol 46
ページ: 286-292
VaSCul Pharmacol 46
J Am Soc Nephrol 17
ページ: 2176-2183
J Exp Med 203
ページ: 1391-1397
Int J Mol Med 17
ページ: 559-566
Endocr J 52
ページ: 223-228
Cell Tissue Res 320
ページ: 437-445
Kurume Med J 52
ページ: 39-47
J Bone Miner Res 20
ページ: 1647-1658
Biochem Biophys Res Commun 334
ページ: 1141-1148
ページ: 81-87
ページ: 52
Int J Oncol 24
ページ: 1245-1255
Hypertens Res 27
ページ: 283-291
Int J Oncol 25
ページ: 721-728
Kidney Int 66
ページ: 2137-2147
Int J Mol Med 14
ページ: 545-551
Am J Resp Cell Mol Biol 31
ページ: 619-625
Am J Resp Cell Mol Biol 14