研究課題
基盤研究(C)
生体異物応答の中で、もっとも一般性の高い介在分子種として知られる酸化的ストレスに焦点をあて、生体異物応答に関与する分子種の研究を、造血系を標的臓器としてとりあげ、造血幹・前駆細胞の応答対応と、そこで特異的に発現する遺伝子群の2点を中心に、3年間にわたって以下の検討を行った。尚、チオレドキシン過剰発現(Trx-Tg)マウスとTrx欠失(Trx-KO)マウスなどの、遺伝子変異マウスを陰陽の反応対照として研究を進めた。1.恒常状態(steady state)における酸化的ストレスに関する個体レベルあるいは試験管内試験での検討(1)非増殖性細胞系と増殖性細胞系との双方の面から検討した。前者について心筋細胞の初代培養系における細胞内呼吸とアポトーシスの関係について検討した。後者については、2.で述べるとおり、造血系を対象とした。(2)Trx-Tgマウス及びTrx-KOマウスを用いて検討した結果、Trx-Tgマウスでは、細胞周期の抑制が起こっており、酸化的ストレス制御が細胞周期を抑制維持する役割を果たしていることが示唆された。また、若年個体(2ヶ月齢)と加齢個体(21ヶ月齢)の比較により、加齢に伴う異物応答が果たす細胞周期への影響についても研究を進めた。2. 造血系特異的変動遺伝子群に焦点をあてつつ、網羅的な遺伝子発現解析を進めた。得られた網羅的遺伝子発現データに基づいて、多変量主要因子解析では、1.における細胞周期などへの影響を引き起こした責任遺伝子群の解析に向けた検討を行った。その結果、gene ontology(GO)のなかで、酸化的ストレス関連のGO及び細胞周期関連遺伝子群や抗炎症性応答遺伝子群を含むGOが非誘導的に浮上(self-generate)した。これら酸化的ストレス応答は直接造血幹細胞の細胞周期に関与し、造血幹細胞プールの維持のために、nicheの維持に関わっているものと考えられ、この方面での今後の研究の糸口としての基盤が形成された。
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