研究課題/領域番号 |
16590333
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
鈴木 友子 国立精神・神経センター, 遺伝子疾患治療研究部, 室長 (00342931)
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研究分担者 |
武田 伸一 国立精神・神経センター, 遺伝子疾患治療研究部, 部長 (90171644)
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キーワード | 骨格筋 / 筋再生 / 筋衛星細胞 / サイトカイン / オステオポンチン / 間葉系幹細胞 / マクロファージ / SP細胞 |
研究概要 |
骨格筋は再生する組織であり、その中心的役割を果たすのは筋衛星細胞であるが、筋障害時には多数の炎症性細胞が障害筋に浸潤し、この浸潤細胞が筋再生に重要である事が示されている。我々は、筋再生過程で著明に発現が上昇するサイトカインをcDNA arrayで検索し、オステオポンチン(OPN)が再生初期に高く発現する事を見いだした。そこで本研究では第一にOPN欠損マウスを入手し、カルジオトキシン(CTX)による筋再生実験を行い、OPN欠損の筋再生における役割を検討した。その結果、OPN-/-マウスにおいても、マクロファージの遊走、壊死組織の除去に異常はなく、筋再生がコントロールと同様に起こる事が明らかになった。一方我々は、骨格筋再生の過程に筋衛星細胞以外の骨格筋由来の幹細胞が関与する可能性に注目し、骨格筋における成体幹細胞の候補であるSP(side population)細胞の動態をFACSを用いて解析した。その結果、SP細胞の中でCD31陰性CD45陰性分画は間葉系幹細胞様の活性を示し、脂肪細胞、骨細胞、骨格筋細胞へ分化誘導でき、さらに再生過程で活発に増殖し、筋再生を促進する因子、血管新生を促進する因子を発現することを明らかにした。さらに5-FUを骨格筋へ投与し、細胞増殖を抑制したマウスに対し、筋衛星細胞とCD31陰性CD45陰性SP分画を移植すると、単独で移植するより遥かに効率よく筋再生が促進される事を見いだした。CD31陰性CD45陰性SP細胞は筋再生過程で、筋再生促進因子を分泌し筋再生を促進していると考えられるので、関与する因子を探索中である。
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