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2004 年度 実績報告書

実験シャーガス病を用いたT細胞ワクチン手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16590346
研究機関順天堂大学

研究代表者

宮平 靖  順天堂大学, 医学部, 講師 (40265781)

キーワードCD8陽性T細胞 / Trypanosoma cruzi / 組換えアデノウイルス / 組換えワクシニアウイルス / RANK-L / 感染制御 / T細胞ワクチン手法 / 実験シャーガス病
研究概要

中南米の風土病であるシャーガス病の病原細胞内寄生原虫、Trypanosoma cruziの感染実験モデルを利用して好適なT細胞ワクチン手法を検索する試みは、現在組換えウイルスベクターの免疫原性の検討を続行中である。H-2^b拘束性にCD8陽性T細胞の誘導を促す配列、ANYNFTLVを挿入した組換えアデノウイルス、組換えワクシニアウイルスを作製後、両ウイルスベクターでマウスを免疫し、生体での抗原特異的CD8陽性T細胞の誘導を確認した。さらに、両ウイルスベクターおよびDNAワクチンとの組合せ免疫を施行した結果、アデノウイルスベクターはプライミング能力に優れ、ワクシニアウイルスはブースターとしての能力に秀でているという免疫学的性状を明らかにした。感染制御には、CD8陽性T細胞の量的な誘導が欠かせないことから、免疫量の増量、アジュバントの使用というふたつの側面から免疫条件の改善を試みた。アジュバントとして着目した手法が、TNFスーパーファミリー蛋白質に属するRANK-L遺伝子の使用である。Genetic adjuvantとしてCD8陽性T細胞の誘導増強能を有するこの遺伝子を、RANK-L遺伝子のDNA調製はしばしば困難であることから、組換えウイルスベクターの形で使用することを検討した。ウイルスベクターの免疫量の増量、またRANK-L遺伝子を組み込んだ組換えワクシニアウイルスベクターのアジュバントとしての使用を組み合わせることで、抗原特異的CD8陽性T細胞の誘導増強を確認した。最後に、これら組換えウイルスベクターの使用によりT.cruzi感染症の感染制御が可能である予備的結果が得られており、CD8陽性T細胞の単一エピトープに対する免疫応答を誘導するだけで、その感染制御が可能であることを初めて証明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「免疫と疾患(前編)-自然・獲得免疫と疾患」宮坂 信之編「寄生原虫感染症」2005

    • 著者名/発表者名
      宮平 靖
    • 雑誌名

      最新医学 (印刷中)

  • [雑誌論文] 細胞内寄生体感染症に対するT細胞ワクチン手法の開発-細胞内寄生原虫感染症モデルとして-2004

    • 著者名/発表者名
      宮平 靖
    • 雑誌名

      慶應医学 81

      ページ: 207-220

  • [図書] Annual Review 免疫 2005 「寄生虫感染症に対する免疫反応」(奥村 康, 平野 俊夫, 佐藤 昇志編)2004

    • 著者名/発表者名
      宮平 靖
    • 総ページ数
      183-191
    • 出版者
      中外医学社

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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