研究概要 |
usp(uropathogenic specific protein)遺伝子は、その推定される活性(DNase活性)故か大腸菌で強発現させると大腸菌を殺してしまうので、まずorfU1-3(open reading frame unknown 1-3)を発現させて精製した。Homology検索から、USPはBacteriocin、ORFU1-3はImmunity proteinと考えられ、両者は大腸菌菌体内では結合していると考えられる。即ち、ORFU1-3を精製してこれらに対する抗体を作成してAffinityカラムを調整すれば、このカラムを用いてUSP-ORFU結合体をOne Stepで精製し、その後に還元して両者を分離して精製する。この目的で、本年度はORFU1-3を精製して、それぞれに対する家兎抗体を作成した。 大腸菌の産生するVerotoxin 1(VT1)の標的細胞上のレセプターは、Gb3である。癌化した細胞表面ではGb3量が増加する事から、VT1を癌治療に使用可能か否かを検討した。VT1は継代細胞(ACHN, CAKI-1,A-704,2102Ep, LNCaP)に致死的に働き、ACHN細胞を移植したSCIDマウスの癌細胞にVT1を注射すると癌細胞の萎縮は見られた。これらの細胞致死作用はアポトーシスによる事を病理的に証明した(Ishitoya S.et al., J.Urol.171:1309-1313,2004)。
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