研究課題
基盤研究(C)
抗酸菌-宿主関係において、抗酸菌細胞壁表層分子(特に、糖ペプチド脂質、糖脂質や蛋白質)は多機能分子であり、病原性に関与している。Mycobacterium avium complex(MAC)感染症は結核など抗酸菌感染症の約20%を占める。MAC特異的細胞壁表層糖ペプチド脂質(GPL)抗原を用いた迅速血清診断法の開発を試みた。GPLを用いたMAC感染症の血清診断法は感度および特異度ともに良好な成績(90%以上)を示し、かつ、血清抗GPL抗体価はMAC感染症の疾患活動性を反映した。従って、GPL抗原を用いた血清診断はMAC感染症の診断や疾患活動性の評価に有用であり、今後、臨床応用が期待される。抗酸菌DNA結合蛋白質1(MDP1)は菌体内や細胞壁に存在する抗酸菌特異的蛋白質である。MDP1の発現強度は対数増殖期<定常期=衰退期であった。機能的に細胞質MDP1はDNAと結合し、抗酸菌の増殖速度を遅延させ、休眠関連分子である。他方、抗酸菌表層MDP1は気道上皮細胞表面に存在するグリコサアミノグリカン(ヒアルロン酸など)に結合した。抗酸菌-気道上皮細胞の接着・侵入は抗MDP1抗体やグリコサアミノグリカンで阻害され、MDP1-グリコサアミノグリカン相互作用を介して、抗酸菌が宿主細胞に接着・侵入している。マウスを用いたin vivo感染実験結果から、抗MDP1抗体やグリコサアミノグリカンの結核菌感染前、或いは、感染後投与は生菌数を有意に減少させ、予防・治療の両者に有効な介入手段であった。MDP1-DNA複合体前投与は菌数を有意に減少させた。MDP1-DNA複合体の作用機序を解析したところ、1)抗MDP1抗体および2)interferon-g産生誘導が認められた。すなわち、MDP1を分子標的とした介入は新規治療・予防戦略として有望である。
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