研究課題/領域番号 |
16590375
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
西野 武志 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (50097838)
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研究分担者 |
後藤 直正 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30121560)
大槻 雅子 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (30121552)
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キーワード | インフルエンザ菌 / 異物排出システム / 多剤耐性 / SMRファミリー / MFSファミリー / MATEファミリー |
研究概要 |
H.influenzaeの全ゲノム配列は1995年にFleischmannらによって解明された。今回、このゲノム配列を使用して、pfamのデーターベースによるモチーフ検索およびBLAST検索を行ったところ、H.influenzae KW20Rd株のゲノム上には、すでに報告されているHI0894(acrA)-HI0895(acrB)、HI1462(tolC)、HI1612(MATEファミリー)の他に、SMRファミリーのホモログであるHI0511、およびMFSファミリーのホモログであるHI0135、HI0281、HI0308、HI0350、HI0418、HI0852、HI0897、HI1104、HI1242がコードされていることを新しく見いだした。そこで、kanamycin耐性遺伝子を挿入することによりこれらの排出システムをコードしていると考えられる遺伝子の欠損株を作製し、抗菌薬等に対する耐性への関与を調べた。その結果、acrABやtolCの欠損株ではマクロライド系抗菌薬、抗菌性色素であるエチジウムブロマイドへの感受性が大幅に上昇したが、他の遺伝子の欠損株ではほとんど変化が見られなかった。AcrAB-TolC以外の排出システムの欠損株では、AcrAB-TolCの発現によって、感受性の変化が観察できなかった可能性が考えられる。そこで、AcrB欠損株を基にして推定された排出システム遺伝子を欠損させた二重欠損株を作製したが、これによっても抗菌薬等への感受性低下は見られなかった。従って、通常の培養条件下においてAcrAB-TolC以外の排出システムは発現していないことが予想された。そこで、H.influenzaeから抽出した全RNAを用いて定量的RT-PCRにより各排出システムの発現量を定量した。その結果、acrBと比較してHI0350とHI0418のみがacrBと同程度かそれ以上の発現量を示し、それ以外の排出システム候補遺伝子の発現量はacrBよりも低い値を示した。よってHI0350とHI0418は今回扱った抗菌薬以外を排出する可能性や排出システムではない可能性が考えられ、HI0350とHI0418以外の遺伝子は発現量が少ないために通常の培養条件下では抗菌薬耐性に十分寄与していないことが示唆された。
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