医学専門用語のうち、病名用語に対するICD10(国際疾病分類第10版)コードの自動コーディングをターゲットとして研究を行った。 ICD10の既知のコーディングルールとして、WHOが発行するICD10コードブックに記述されたICD10コーディング規則を、正規表現に変換することによりプログラムで自動処理が可能な形でデータベースに格納した。そのデータを用いて、病名用語に自動的にICD10コードを付与するクライアントアプリケーションを開発し、プログラムによる自動一括コーディングの正答率を評価した。現時点では、コーディングの正答率は2-30%程度であり、今後ルール記述の改良が必要なことが明らかになった。 それと平行して、病名用語などの医学専門用語の情報をネットワーク経由で配布する、XML Webサービスの技術を基礎としたリモートメソッドサーバーを立ち上げ、APIを公開し一般の利用を可能な環境を構築した。(URL http://WWW.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/webservices)本サービス運用により、医学専門用語情報の公開・配布サービスの手段としてリモートメソッドが有効であることが確認しえた。
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