研究課題/領域番号 |
16590424
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
栗原 幸男 高知大学, 医学部, 教授 (00215071)
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研究分担者 |
北添 康弘 高知大学, 医学部, 教授 (90112010)
奥原 義保 高知大学, 医学部, 助教授 (40233473)
渡部 輝明 高知大学, 医学部, 助手 (90325415)
中島 典昭 高知大学, 医学部, 助手 (00335928)
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キーワード | 教育工学 / 情報工学 / 情報システム / 医学教育支援 / PBL |
研究概要 |
国内の全医科大学・医学部を対象に平成16度に実施したPBL導入状況とPBL実施を支援するIT活用に関する意識調査の分析を中心に研究を進めた。本調査では7割の大学(56校)から回答が得られた。PBL方式を全く導入していない大学は約10%の6校であったが、その内4校は導入計画があり、ほとんどの大学でPBL方式が導入されつつあることが明らかとなった。また、本格的に導入している大学(PBL方式の教育を中心にカリキュラムを構成)は20校あり、それらの大学に対してPBLの運用形態とIT活用の可能性についての詳しい調査を行った。本格導入していない大学も含め、最も有用性が高いと意識されたIT活用は、「PBLで用いる学習課題の全国規模でのデータベース化による共有」であった。また、本格導入大学では「学習達成度を評価するための電子化試験(CBT)」も有用性が高いと認識された。本学でも実施し、欧米の大学でも取り入れられている「学習課題の電子呈示」はあまり高い評価ではなかった。学生のITスキルや情報環境が関係している推測された。 アンケート分析結果を踏まえ、より広くIT活用を検討するために、PBL教育に限定せずに教育支援のためにIT活用を行っている大学(熊本大学、東京電機大学)への訪問調査を実施した。日本のPBL教育では学習課題の中から問題点(学習すべき事項)を抽出し、自己学習により解決して行く能力の育成に大きなウェイトがあり、その自己学習による到達度について詳しく評価することはあまり行われていない。2大学では到達評価をIT活用により学生が容易に把握できる環境を提供することで、自己学習を促進することに成功しており、PBL教育においてもそのようなIT活用をより強化することの必要性が認識された。 以上の研究成果から、PBL支援のIT活用の課題として、「学習課題の共有化データベース構築」と「学習到達度評価」が明確になってきた。
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