研究課題
平成18年度は以下の点を明らかにした。1.ウロコルチンIII(UcnIII)は新規ペプチドホルモンであり、コルチコトロピン放出因子(CRF)の2型受容体(CRF2R)に特異的に結合し、ストレス反応抑制作用、血圧低下作用等を有する。また、CRF2Rノックアウトマウスは高血圧を自然発症することが報告されている。そこで、CRF2Rの遺伝子多型を検討し、1個のVNTRを見出し、血圧との関連を大迫一般地域住民1082人で検討した。結果、Long allele群で夜間収縮期血圧が有意に高いことを見出した(P=0.002)。降圧治療薬の効果・反応性との関連は認められなかった。(未発表)2.ウロテンシンII関連ペプチド(URP)はエンドセリンIIよりも強力な血管収縮作用を持つウロテンシンIIに似た物質であり、同じ受容体と結合する。URPと血圧及び降圧治療薬の効果・反応性との関連を検討するため正常人100名でSNPの存在を調べたが、エクソン領域にSNPの存在は確認出来なかった。(未発表)3.アドレノメデュリン2(AM2)はアドレノメデュリンと同様に血管拡張作用を有し、血圧との関連が指摘されている。AM2の発現をヒト組織で検討した結果、脳・心筋細胞・冠動脈平滑筋細胞・腎臓内動脈・腎尿細管に発現していることを見出し、報告した。(Peptides 28: Epub,2007)。4.アドレノメデュリン2の遺伝子多型を1826名を対象として検討した。結果、血圧データが揃っている417人において、rs3840963 I/D多型にてID群+DD群はII群と比較して心疾患の発症率が約3倍であることを見出した(P=0.02)。一方、血圧及び服用している降圧治療薬の効果・反応性との問に有意な関係は認められなかった。(未発表)
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J Hypertens 25
ページ: 321-327
Peptides 28(Epub ahead of print)
Peptides 27
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Hypertension 48
ページ: 737-743
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ページ: 2183-2189