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2005 年度 実績報告書

コロナウイルスの増殖特性を利用した阻害剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16590434
研究機関富山大学

研究代表者

林 京子  富山大学, 医学部, 助手 (60110623)

研究分担者 林 利光  富山大学, 薬学部, 教授 (40092796)
李 貞範  富山大学, 薬学部, 助手 (40332655)
キーワードコロナウイルス / 糖蛋白質 / モノクローナル抗体 / 抗ウイルス活性試験
研究概要

1.コロナウイルス特異的モノクローナル抗体の作成
コロナウイルスの増殖阻害効果を解析するための手段としてモノクローナル抗体を作成した。具体的には、3種類の糖蛋白質(S蛋白質、M蛋白質、ATPase活性を担う糖蛋白質)のアミノ酸配列から抗原性を有する部分を選択して、オリゴペプチドを合成し、免疫原とした。現在、それぞれの抗原に対するモノクローナル抗体が、マウス腹水の状態で得られていて、次項に挙げる活性物質の作用標的を特定したり、作用の特性を明らかにするために利用する予定である。
2.コロナウイルス増殖詐害活性物質の検索
S蛋白質、M蛋白質、ATPase活性を担う糖蛋白質のそれぞれの機能を標的とした増殖阻害活性物質を検索してきた。S蛋白質はウイルスのエンベロープに存在し、コロナウイルスが宿主細胞に吸着、侵入するために必要とされるウイルス成分である。これまでに他のエンベロープを有するウイルスの吸着及び侵入を阻止することが知られている物質を検定したところ、選択指数(細胞毒性を示す濃度とウイルス増殖阻害濃度との比)が10,000を超すというきわめて強力な活性を有する化合物を突き止めた。これは、硫酸化多糖体の一種であり、高分子物質である。従来の考え方では、高分子は生体に投与した時に吸収などの体内動態の上で薬剤としては難点があるとされてきた。しかし、コロナウイルスは、気道感染症を起こす病原体であり、その増殖の場へのアプローチは必ずしも体内(血中)からと限定されることはなく、体内への吸収、分布を介さずに"内なる外"である気道に直接的に接することは可能である。このような視点に立って、今後、候補物質の作用特性を解明するとともに、実際の治療への応用を念頭に置いた有効利用のための条件を検討する予定である。また、感染細胞内でのウイルス糖鎖プロセッシングに関与する物質や、ATPase阻害効果が期待される物質をこれまでに幾つか得ており、これらについても、上記のモノクローナル抗体を用いて作用機序の解明を行なっていく。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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