研究課題/領域番号 |
16590439
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
植田 真一郎 琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80285105)
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研究分担者 |
田川 辰也 琉球大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50347142)
大屋 祐輔 琉球大学, 医学部, 助教授 (30240964)
浦田 秀則 福岡大学, 筑紫病院, 教授 (30289524)
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キーワード | 血管内皮機能 / 脈波伝播速度 / 遊離脂肪酸 |
研究概要 |
1.ヒト動脈の脈派伝播速度(Pulse wave velocity, PWV)測定についてCompliar法とFormを用いた方法の比較を行った。前者は主に欧州で用いられこれまで多くの疫学的データの蓄積がある。後者は主に本邦で使用され、簡便性が利点である。両者で測定したPWVは良く相関したが、短期間の再現性に関しては両者とも良好であるもののFORMがやや優れていることが示唆された。またCompliar法ではCarotid-Femoral測定よりもCarotid Brachial測定の方が良好な再現性が得られた。 2.前腕動脈にアセチルコリンを注入してその血管拡張作用で血管内皮機能を評価し、PWVとの相関を検討した。FORMで測定したPWVはアセチルコリン血管拡張反応と相関は認めなかったが、Compliarで測定したCarotid BrachialのPWVは有意な相関を示した。このことからCarotid BrachialのPWVは簡便な内皮機能の指標になることが示唆された。 3.内臓肥満症候群や2型糖尿病患者においては血中遊離脂肪酸の上昇がインスリン感受性の悪化や血管内皮機能障害に関与している。我々はヘパリン付加脂肪酸負荷がアセチルコリン血管拡張反応を減弱させること、これはアセチルコリンの血管作用のうち一酸化窒素依存部分の抑制によること、この遊離脂肪酸上昇による内皮機能低下はレニンーアンジオテンシン系阻害により消失すること、ビタミンC動注でも消失することを見いだした。このことは遊離脂肪酸上昇をともなう病態ではレニンアンジオテンシイン系が賦活化され、酸化ストレスの増強を介してNOのbioavailabilityを低下させ内皮機能低下を引きおこしていることを強く示唆する。
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