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2004 年度 実績報告書

赤血球内クレアチンを用いた血管内溶血の早期診断

研究課題

研究課題/領域番号 16590460
研究機関高知大学

研究代表者

杉浦 哲朗  高知大学, 医学部, 教授 (50171145)

研究分担者 奥宮 敏可  熊本大学, 医学部, 助教授 (50284435)
西原 利治  高知大学, 医学部, 助教授 (60145125)
松村 敬久  高知大学, 医学部, 助手 (10274391)
キーワード赤血球内クレアチン / 赤血球加齢 / 血管内溶血 / 人工弁 / 弁口血流速度 / 弁逆流
研究概要

人工弁置換患者では弁機能不全にともない血管内溶血を生じることが知られている。この溶血の指標として、従来から血清乳酸脱水素酵素(LD)やハプトグロビン、網赤血球などが利用されてきたが、これらは血管内溶血以外の様々な因子でも変動することや、溶血に対する感度および定量性などの問題点が考えられる。本研究では人工弁置換患者を対象として、従来からの溶血マーカーと赤血球内クレアチンを比較検討するとともに弁血流速度との関係について検討を行った。対象として人工弁置換術後患者33例とコントロニル群33例の血液を用いた。赤血球内クレアチンの測定は、我々が開発した酵素的測定法で行った。血行動態の解析は超音波ドプラ法にて行い、僧帽弁口の拡張期血流最大速度および木動脈弁口駆出血流最大速度を求めた。両者の総和は総最大血流速度(TPV)として表現した。人工弁置換患者では、コントロール群に比して赤血球内クレアチンとLDの有意な上昇(p<0.001)およびハプトグロビンの有意な低下(p<0.0001)が認められた。僧帽弁または大動脈弁における弁逆流の有無と血管内溶血の関係では、赤血球内クレアチン、:LDおよびハプトグロビンはいずれも有意差を示さなかった。また、赤血球内クレアチン高値群は有意なTPVの増加(p<0.006)を示したが、LDでは有意差は認められなかった。一方、LD高値群はミオグロビンとミオシン軽鎖1において共に有意な増加が認められたが、赤血球内クレアチンでは有意差は認められなかった。以上のことより、人工弁置換患者における血管内溶血の指標として、網赤血球は検出感度が不十分であり、ハプトグロビンは高感度であるが定量性に欠けていた。LDは比較的高感度に溶血を検出することができるが、軽度の心筋障害でも影響を受けることが示唆された。赤血球内クレアチンは、心筋のダメージにも影響されず高感度かつ定量的に血管内溶血を評価することができる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of intravascular hemolysis with erythrocyte creatine in patients with cardiac valve prostheses2004

    • 著者名/発表者名
      Okumiya T, et al.
    • 雑誌名

      Chest 125

      ページ: 2115-2120

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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