研究課題/領域番号 |
16590473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
土屋 康雄 新潟大学, 医歯学系, 助手 (60334679)
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研究分担者 |
山本 正治 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018693)
中村 和利 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (70207869)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 胆嚢がん / 危険因子 / 胆石症 / 胆汁 / 遊離脂肪酸 / 唐辛子摂取 |
研究概要 |
チリにおいて明らかにされた赤唐辛子摂取による胆嚢がん発症のメカニズム解明のため、チリ胆石症患者130名(男性16名:54.9±12.9歳、女性114名:48.4±12.8歳)を対象として、アンケート調査で得られた赤唐辛子摂取頻度と胆汁中遊離脂肪酸濃度、及びその組成割合との関係を調べた。 胆石症患者の平均年齢には有意な性差は認められなかった。しかし、赤唐辛子摂取頻度は男性の方が女性より有意に高かった。また、HPLC法で測定した胆汁中の総遊離脂肪酸濃度、及び総不飽和遊離脂肪酸濃度には有意な男女差は認められなかったが、女性のミリスチン酸とパルミトレイン酸濃度、及びパルミトレイン酸組成は男性に比べて有意に高かった。 男女別に赤唐辛子摂取頻度と遊離脂肪酸濃度及びその組成割合との関係を調べた結果、いずれの遊離脂肪酸でも両者間に有意な関係は認められなかった。 そこで、アンケート調査で得られた他の食事要因等と赤唐辛子摂取頻度、及び胆汁中遊離脂肪酸濃度、組成との関係を調べた。女性では赤唐辛子摂取頻度と体重、BMI間に有意な正の相関関係が認められた。さらに、女性では豚肉と揚げ物の摂取頻度とパルミトレイン酸濃度、及びその組成間に有意な負の相関関係が認められた。一方、男性では加齢とともにパルミトレイン酸濃度及びその組成が有意に低下した。 肥満は、胆石症と胆嚢がんの危険因子とされていることから、赤唐辛子の高頻度摂取は胆石症患者の体重増加を引き起こし、その後の胆嚢がん発生と間接的に関係していると推察された。さらに、我々の先の研究で、胆嚢がん高発生地域の胆石症患者の胆汁中パルミトレイン酸組成は低発生地域の患者の値に比べ有意に低かったことから、男性では加齢、女性では豚肉と揚げ物摂取が胆嚢がん発生に関係している可能性が示唆された。
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