研究分担者 |
中西 一郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (40364088)
森田 修平 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50372868)
三輸 英人 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50231626)
近藤 智善 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50103891)
宇都宮 洋才 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60264876)
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研究概要 |
H18年度の研究計画と実績 和歌山県でのALSの発症年齢と予後に関する検討と病因的環境因子および予後関連要因に関する研究を実施し以下の結果を得た。 1 ALS発症に外的要因の関与が推察されるが、本年度はALS例の発症年次による発症年齢と罹病期間を検討した.対象は1997年までに本学で集積した例と1999年以降本神経内科で実施した調査により確認した県内ALS例、358例とした.ALSの診断はEI Escorial criteriaに準拠した。[結果]症例の発症年次は1951〜2005年に渡った。1990年前後での平均発症年齢の比較で以前が53.0±10.5歳、以降が65.1±10.2歳(p<0.0001)と高齢化し、平均罹病期間は以前48.2±43.8ヶ月,以降33.8±31.9(Mean±SD, P=0.002)と短縮を認めた。10年毎の年代別累積生存率の比較では有意な罹病期間の短縮を認めた(Logrank<Mantel-Cox>,p<0.0001)。[結論]本研究で1990年以降のALS症例で発症年齢の高齢化と罹病期間の短縮が認められ,ALS発症要因の年代的変化が推察された。 2)本研究ではALS患者と非発症住民において生活・食習慣および血液中の元素測定を行い、ALS発症に関連する要因を検討した。和歌山県内のALS患者と非発症住民において生活習慣と食習慣について郵送法で自記式アンケート調査を行った。さらに血中Ca, Mg, Cu, Zn, PTH-intact, IGF-1濃度を測定した。結果、ALSでは負けん気が強く激しい運動をするがストレスを申告(自覚)しない生活習慣を持っ傾向があり、食習慣ではCa摂取量は多いがビタミンA, D, E摂取が低い傾向が認められた。血中元素分析ではCa, Cu, Znの低値を認めた。頚椎症、激しい運動,労働がALS発症あるいは増悪要因と報告されているが、本研究において上記の生活・食習慣による酸化的ストレス障害,元素異常がALS発症に関連する可能性が考えられた。
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