研究課題/領域番号 |
16590514
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
大木 いずみ 自治医科大学, 医学部, 講師 (50296092)
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研究分担者 |
尾島 俊之 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50275674)
中村 好一 自治医科大学, 医学部, 教授 (50217915)
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キーワード | 花粉症 / 疫学 / 危険因子 / 大気汚染物質 / 個人サンプラー |
研究概要 |
花粉症をはじめとするアレルギー疾患は宿主要因とともに環境要因が考えられ、それらを解明することは公衆衛生学的に重要である。主な大気汚染物質のうち、二酸化硫黄、一酸化炭素は1970年以降著明に減少しているが、二酸化窒素、浮遊粒子状物質は減少がみられないことから環境要因としての浮遊粒子状物質、粒径2.5マイクロメーター以下の微粒子(以下PM2.5)が花粉症発症や増悪にどのような影響を及ぼすかを明らかにする目的で、花粉量を調整した上で疫学的に人間集団を対象に行った。方法として、一次調査として地域を限定し、20歳から65歳までの住民(女性)を対象に調査票を用いて鼻や眼の症状、時期、程度などの情報を収集し、その中から同意の得られた者に対して二次調査および曝露測定調査を依頼し、花粉症の診断を受けてもらった。 二次調査は、797人を対象に行い、内容は症状、症状のでた時にとる行動、社会生活に及ぼす影響の程度、既往歴、家族歴、日常生活について調査した。また、職場や学校の環境についても質問した。さらに症状の不明確な人を除外した714人について、個人サンプラーで花粉量(スギ、ヒノキ)とPM2.5を測定した。診断が明確でなかった者、測定に不備のあった者を除く533人(症例278人、対照255人)を解析対象とした。 症例群の平均年齢は、40.6±10.9(標準偏差)歳、対照は42.1±12.0(標準偏差)歳であった。症例群では、症状がでた時「医療機関を受診する」52%、「市販の薬を使用する」46.4%、「何もしない」13.7%であった(重複回答)。また、程度については「仕事が手につかないくらい影響がある」と答えた人が60.0%を占めた。今後、症例と対照でPM2.5が花粉量やその他の交絡因子を調整してどのくらい影響を及ぼしているかをロジスティックモデルを用いて多変量解析する予定である。
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