研究課題/領域番号 |
16590525
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
足達 寿 久留米大学, 医学部, 助教授 (40212518)
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研究分担者 |
平井 祐治 久留米大学, 医学部, 助手 (70309780)
榎本 美佳 久留米大学, 医学部, 助手 (10360281)
平塚 章子 久留米大学, 医学部, 助手 (20360282)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 動脈硬化 / ADMA / 血管内皮障害 / 頚動脈エコー / 一般住民 / 疫学 / 予防 / 生活習慣病 |
研究概要 |
動脈硬化性疾患の発症、進展には、古典的な危険因子のみでは説明できない要素が含まれている。現在、新たな危険因子として、ホモシステインや炎症反応の指標である高感度CRPなどが言われている。我々はこれら以外にも動脈硬化と関連する因子があるのではないかと考えている。これらの因果関係を明らかにするには、特に脳・心血管疾患などの動脈硬化性疾患を有していない一般住民を対象とした疫学的研究に於いて、この関連を証明する必要がある。 そこで我々は、1999年に行った約2000人規模の住民検診において、レムナントリポ蛋白コレステロール(RLP-c)、asymmetric dimethylarginine (ADMA)、plasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)、hepatocyte growth factor (HGF)などの新しい危険因子を測定し、それぞれの持っ意義を検討した。その結果、ADMAは明らかに頚動脈の内膜・中膜厚(IMT)と関連し、RLP-c, PAI-1, HGFはメタボリック症候群と関連していた。特にADMAに関しては縦断研究まで行い、IMTの再測定を行って、動脈硬化の進展度を検討した。その結果、IMTの進展に関しては、高血圧と独立してADMAが有意に正の関連を有し、頚動脈硬化に対する独立した予知因子であることを示した。 以前よりADMAはホモシステインと強い正の相関があり、動脈硬化との関連に注目していたが、これまで、腎障害の患者を対象とした小規模なprospective studyがあるのみで一般住民を対象とした疫学研究は皆無であった。しかし、今回、我々の知る限りにおいて、最多の人数の健常者の検討であることは特筆に値すると考えられ、今後のADMAの研究に対して、大きなインパクトを与える研究であると考えている。即ち、その予防と共に、臨床的な観点から創薬という点に言及するとL-arginineの投薬が動脈硬化を予防することを示唆し、今後は薬剤の介入にまで発展していく可能性があり、本研究がその礎になる極めて重要な研究であると思われる。
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