研究課題/領域番号 |
16590528
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研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
三浦 宏子 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (10183625)
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研究分担者 |
苅安 誠 九州保健福祉大学, 保健科学部, 助教授 (00320490)
山崎 きよ子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (20331150)
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キーワード | 要介護高齢者 / 摂食・嚥下障害 / ケアアセスメント / スクリーニング評価 / 口腔ケア / 介護予防 / 日常生活機能 / 介護負担感 |
研究概要 |
在宅要介護高齢者の摂食・嚥下障害を客観的に評価するために、前年度で得られた基礎調査のデータを元に、新たな評価尺度を開発した。まず、在宅要介護高齢者85名を対象に、先行研究を参考に選んだ摂食・嚥下障害関連症状18項目について、その発現頻度を3段階の順序尺度を用いて調べた。今回、新規評価尺度での評価項目選定にあたっては、因子分析(最尤法、Varimax回転)を行った。その結果、固有値1以上の因子が4つ抽出された。固有値の大きさと先行研究を参考に、第一因子から6項目、第二因子から3項目、第三因子から1項目、第4因子から1項目、合計11項目を選択し、地域高齢者誤嚥リスク評価尺度(Dysphagia Risk Assessment for the Community-dwelling Elderly : DRACE)とした。DRACEの内的整合性を確認するために、クロンバックα係数を算出したところ、その値は0.84であった。 作成したDRACEの妥当性について、尺度作成時とは異なる集団(N=89)を用いて検証した。クロンバックα係数=0.74であり、十分な内的整合性を有していた。また、摂食・嚥下障害の臨床的スクリーニング法として定評のある水飲みテストならびに反復唾液嚥下テストとの関連性を調べたところ、両者の間には有意な関連性が認められ(P<0.05)、十分な併存的妥当性があることが示された。また、構成概念的妥当性について検証するために、DRACEから求めた誤嚥リスク値との関連性を調べたところ、ADLを評価するバーセル指数とADL20、ならびに口臭の原因である口腔内気体中の硫化水素濃度と有意な関連性が認められた。これらの結果より、本研究で開発したDRACEは、在宅要介護高齢者の誤嚥リスクを評価するための十分な妥当性と信頼性ならびに簡便性を有するものだと考えられた。
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