本研究は、悪性新生物と脳血管疾患は不健康な食習慣、喫煙、過度のアルコール摂取などが両者のリスクファクターとして共通しており、胃がん、肺がんが先行する第一疾患の場合に、脳血管疾患が続発するリスクは有意に低く、脳血管疾患が先行する場合悪性新生物続発は有意に高いとする先行研究を背景に計画されたものである。 本年においては以下のことを実施した。 1)悪性新生物については近年ICDコード第10版を利用しはじめ、過去のICD第9版と第10版が同時に存在しているため、ICDコードの第10版への統合を行った。 2)脳管疾患の病型診断に関する調査受診者の脳血管疾患の病型診断情報について診療情報をもとにして分類調査については、原爆被爆者コホートにおけるサブ標本集団である成人健康調査集団における病型診断ルールを確認し、ICDコード第10版との整合性をはかった。 3)原爆被爆者コホート成人健康調査コホートについての過去に数回の郵便調査を実施しており、life Style Factorについて情報収集が可能であるが、各調査の質問項目に比較が可能になるための調整をはかった。 今年度においては、主としてコホート集団において収集された項目の縦断的な比較可能性の検討を行った。
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