研究概要 |
本年度はミトコンドリアSNPのTaqMan PCR法による迅速な識別方法について検討した。 まず、ミトコンドリアハプログループのMとNを分類するためのTaqMan PCR法の系を構築した。ミトコンドリアDNAの10400に変異がある場合はハプログループMに分類され、また、10400に変異がある試料はほとんどが同時に10398に変異があることから、Nの10398A,(10399C),10400C、及びMの10398G,(10399C),10400Tを識別・ハイブリするプローブをそれぞれ設定した。更にM中のDを識別するための5178(C/A)を識別するプローブ、Gを識別するための4833(A/G)を識別するプローブ、M8a・C4・CZの15487(A/T)、M7の6455(C/T)用のプローブを設定した。ハプログループMとNを分類するための10400、10398以外の10873(T/C)についてもプローブを設定した。以上、計6SNP(7カ所であるが10398と10400の変異は連動しているとみたので、6SNPとした)についてTaqMan PCR法を行ったところ、SNP判定を迅速に行うことができた。 加えて、ミトコンドリアDNA中、8272-8289のCCCCCTCTAという9bp欠失の2回繰り返しの有無によってハプログループBが決定される。これはSNPではないが、ハプログループ分類のために重要な多型であるので、これについてもTaqMan PCR法を行った。「欠失なし」用としてCCCCTCTACCCCCTCTAというプローブを設定した。多型部位を含んだ領域を増幅するためのプライマー設定がやや困難なため、やや条件の甘い設定になり、リアルタイムPCRは典型的なS字カーブを描かなかったが、判定は可能であった。
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