研究課題/領域番号 |
16590536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
内藤 笑美子 新潟大学, 医歯学系, 講師 (80018811)
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研究分担者 |
出羽 厚二 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (10197832)
福田 祐明 新潟大学, 医歯学系, 助手 (30323968)
山内 春夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30134919)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 親子鑑定 / 個人識別 / インプリンティング遺伝子 / STR / アリルの父母由来 / DNAメチル化 |
研究概要 |
法医鑑定において、各個人の対立遺伝子の父母由来を知ることができれば、親子関係や個人を特定するための有効な情報が得られる。2003年、H19遺伝子のVNTRで、インプリント機構を利用した父母由来識別法(PIA typing)に成功し、さらに利用できるマーカーを探している。本研究では11番常染色体のKCNQ1 geneのintron 1aに存在するSTRに注目し、個人識別への有用性とPIA typingが成功できるかどうかを検討した。 [方法](1)血縁のない健常日本人(175名)とドイツ人(170名)の末梢血からDNAを抽出し、通常のPCR法でSTR多型を決定した。(2)日本人5家族(19名)を対象とし、PIA typing方法の成否を検討した。まず、5家族全員のSTRの遺伝子型をタイピングし、つぎに各家族の子供達のPIA typingを行った。PIA typingでは、メチル化にセンシティブなHpaIIとHhaI酵素でゲノムDNAを消化した後に、二回のPCR増幅を行う。1回目のPCRで、メチル化されているために消化されない父親由来のアリルだけを増幅し、これをテンプレートとし、2回目のPCRで父親由来のSTRを決定する。 [結果]目的のSTRについて、多型解析の結果、日本人とドイツ人のいずれでも個人識別に有用であることが示された。また、日本人5家族の子供達のPIA typingでは、父親由来のアリルのみが検出され、父由来、母由来の型はGenotypingの結果と一致した。 [まとめ]インプリンティング遺伝子KCNQ1 geneのintron 1aに存在するSTR多型は、日本人とドイツ人のいずれでも、個人識別に有用であることが示された。また、遺伝子型の父母由来を決めることのできる多型マーカーの一つとして、親子鑑定に有用であることが示された。
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