研究概要 |
初年度は、コラーゲン関連の8遺伝子(Prolyl4-hydroxylase (PH)、Lysylhydroxylase (LH)、Procollagen N-proteinase (PNP)、Procollagen C-proteinase (PCP)、Prolyl4-Hydroxylase, alpha polypeptide, type 2 (P4HA2)、Lysyl oxidase (LOX)、Collagen, Type I, Alpha-1 (COL1A1)、Matrix Metalloproteinase 1 (Collagenase 1; MMP1))について、次年度は、その他の加齢に伴う変化がありそうな7遺伝子(弾性線維Elastin (ELN)、セラミド関連のβ-glucocerebrosidase (GBA)、Sphingomyelinase (SMPD1)及びacid ceramidase 1 (ASAH1)、メラニン関連のTyrosinase (TYR)、5,6-dihydroxy-indole-2-carboxylic acid oxidase (TYRP1)及びDopachrome tautomerase (DCT))を選択した。各年齢層の腹部皮膚組織片から抽出したDNA試料を利用して、これら遺伝子のプロモーター周辺領域及び第1エクソンのエンハンサーと推察される領域で、それぞれ2〜3つのPCR増幅産物を設定し、それぞれのPCR増幅産物について、Pyrosequencing用プライマーを設計し、Pyrosequencing反応を行った。 その結果、男性サンプルのTYR-F1のS2プライマーを利用した領域の第2番目のCpG部位で、年齢とメチル化の強い負の相関が見られた。その他の部位では、ほとんどの遺伝子でメチル化の変化が観察されず、あったとしても年齢とは全く相関の見られない大きな変化であった。 本研究では、最終的に加齢とメチル化との明らかな相関を示す遺伝子領域を見出すことができなかったが、正常な個体においても、メチル化の程度に差があることが観察されたので、加齢と相関する部位が存在するであろうことが示唆された。
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