研究課題/領域番号 |
16590539
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
湯浅 勲 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 助教授 (00093633)
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研究分担者 |
中川 真由美 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 助手 (00243410)
梅津 和夫 国立大学法人 山形大学, 医学部, 助教授 (10091828)
入澤 淑人 国立大学法人 鳥取大学, 医学部, 教授 (90112226)
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キーワード | mtDNA / HV1領域 / 動物種の同定 / 個人識別 / 個体識別 / PCR |
研究概要 |
愛玩用動物として広く飼育されているイヌやネコ等や家畜等の動物毛は、犯罪鑑識においてしばしば異同識別の対象となるが、従来の形態学的検査ではその識別が困難であることも少なくない。われわれは、mtDNAのhypervariable region(HV1)の塩基配列に着目したところ、すなわち、動物種間において共通な配列と職別可能な配列とが認められ、共通部分に、どの動物のmtDNAも増幅させえる万能プライマー(mt-U1,mt-U2)を設定することが可能であることがわかった。 そこで、種々の動物の被毛や筋肉組織等から得たDNAをこの万能プライマーを用いて増幅させると、イヌ398bp、ラット433bp、ウマ444bp、ブタ492bp、ウシ543bp、ヒト545bp、ウサギ564bpネコ692bp、ヒツジ799bpの増幅断片が得られ、増幅断片長の相違から容易に動物種の識別が可能であった。 さらに、イヌ20個体のDNAをこの方法にて増幅すると、期待通りのDNA断片が得られた。この二つの万能プライマー間の塩基配列内にさらに新しくイヌ特異的プライマーを設定し、増幅させると、イヌのみ増幅が認められ、引き続いて、塩基配列を決定すると、計174個の塩基のうち、17箇所で置換が観察され、個体識別も可能であることがわかり、実務例に応用し事件の解決に利用できた。また、ヒトとウシの増幅断片長がきわめて類似しているため、ヒト特異的プライマーを使用して同時に増幅させる方法を確立した。このように、法医学的に有用なプライマーであるので、蛍光標識化して、Genetic Analyzerで分析可能な条件を詳細に検討している。
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